著者
中村 善行 藏之内 利和 高田 明子 片山 健二
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.577-585, 2014-12-15 (Released:2015-01-31)
参考文献数
24
被引用文献数
7 13

調理後の甘さが大きく異なる多様なサツマイモ品種·系統や育種素材を供試して,塊根のβ-アミラーゼ活性およびデンプンの含量,糊化温度と蒸しいものマルトース含有率との関係を調べた.マルトース含有率はβ-アミラーゼ活性の上昇に伴って増加したが,活性が約0.2 m mole maltose/min/mg proteinを越えると含有率の増加は抑制された.マルトース含有率とデンプン含有率との間には相関が認められなかったが,デンプン糊化温度との間には弱い負の相関が認められた.特に,β-アミラーゼ活性が高い塊根では糊化温度が低いほどマルトース含有率が高い傾向が見られた.また,デンプンの糊化温度が比較的高い品種「ベニアズマ」を本州より気温の低い北海道で栽培すると,糊化温度が有意に低下し,β-アミラーゼ活性は同等かあるいはそれ以下にも拘わらず,マルトース含有率が有意に高くなった.サツマイモの加熱調理に伴うマルトース生成には塊根のβ-アミラーゼ活性に加えてデンプンの糊化し易さも重要であると考えられた.

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電子工作を施したトースターで焼き芋を焼く話題がTLに流れてきたので、どんな温度プロファイルで焼けば良いのか調べてみたらちゃんと論文も出ていた。前処理65度から75度程度1時間、250度1時間ほど焼くと糖度が一番高くなるそうな。参照先https://t.co/5jwrXp3S8h https://t.co/cnauge4n9T
収穫したさつまいもを使って美味しい焼き芋が食べたい…! そう思って早速器具を注文しました。 酵素によってデンプンが糖化する事であの甘みが生まれるとの事。 何とか活性の高い温度を維持して蜜が滴る黄金色の断面を拝みたいですね
同じでんぷんでも糊化が始まる温度が違うし 物性の変化だって違う、 同じさつまいもでも品種によっても違うし 糖度と相関が見られてる成分を見たり でんぷんとマルトースの割合を見たり 糊化の始まる温度とマルトースの生成量が逆相関したり ほんと奥が深い…… (https://t.co/rH8KdIIfeT)

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