著者
上中 登紀子 福田 滿 豊沢 功
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.626-631, 2000-08-15 (Released:2009-02-19)
参考文献数
11
被引用文献数
1

大豆の吸水時における種子の形状変化を子葉細胞の形状変化の観点から調べ,以下の知見を得た.(1) 大豆は乾燥時には球状体に近い形であるが,吸水すると種子の幅(W)方向や厚さ(T)方向と比較して,長さ(L)方向への膨潤が著しいため楕円体に変形した.しかし,小豆やいんげんは,乾燥時からL方向に長い形をしており,吸水,膨潤してもほぼ元の形状を保っていた.(2) 乾燥大豆の子葉細胞はL方向に収縮しているが,吸水,膨潤すると,L方向に特に大きく膨潤し,細胞間隙が広がることを認めた.(3) 吸水大豆の子葉細胞は,種子のL方向と垂直な長軸をもつ細長い楕円形の回転体に近い形で存在していた.(4) 乾燥大豆の子葉細胞の細胞壁には,種子のL方向と垂直なしわが存在し,子葉細胞はL方向に折りたたまれていることが明らかになった.(5) 大豆の吸水による膨潤は,枝豆種子の乾燥・収縮時における形状変化の逆過程に類似している.なお,大豆種子の吸水・乾燥によるL方向への膨潤・収縮には,皮も関与していると推察した.

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@mushipan32 @kyushoku9449 豆の皮に包まれているほとんどの部分が子葉。その子葉のひとつひとつの細胞は、一番外側が細胞壁で囲まれていて、内側に細胞膜に包まれた小さ部屋があってそれを子葉細胞といいます。 大豆の子葉細胞の性質として、いくつかの知見が→ https://t.co/7S3R8xcRT0

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