著者
堀内 理恵 伊藤 みどり 杉原 好枝 福田 滿
出版者
武庫川女子大学
雑誌
武庫川女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:09163123)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.15-18, 2004
被引用文献数
1

兵庫と大阪の女子大生(255人)にオカラの嗜好と意識を調査し,次のような結果が得られた.1.大部分の女子大生にオカラは受け入れられ,オカラに対するイメージは「健康に良い」「栄養がある」が同率首位で,3位「安価である」であった.喫食経験のある人は84.6%であったが,喫食頻度は低く年に1〜2回が過半数であった.2.オカラは「卯の花」で食する人がほとんどであり,オカラ入り食品の入手先は「店で購入」が64.9%「家で作る」は30.7%となった.3.オカラはハンバーグ,コロッケ,ギョウザなどひき肉と合わせる料理の素材として人気が高く,次にケーキ類,パン類の順で,中でもベーグル,ピザ,カレーパンは人気が高かった.4.オカラが「大豆から豆腐を製造する時の副産物である」ことは86.5%の人が知っており,その情報源は「親」が49.8%であった.オカラが「産業廃棄物である」ことの認知度は34.7%でその情報は37.8%が「テレビ」から得ていた.「食物繊維が豊富に含まれる」ことに対しては,53.7%の人が知っておりその情報は42.9%が「親から」得ていた.「イソフラボンが豊富に含まれる」ことに対しては,37.3%の認知度でその情報は「テレビ」からが33.0%であった.「大豆タンパク質が豊富に含まれる」ことに対しては61.2%の人が知っており,その情報は「親」27.2%,「テレビ」27.2%,「新聞・雑誌・書物」21.5%,「学校」20.3%であった.
著者
上中 登紀子 福田 滿 豊沢 功
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.626-631, 2000-08-15 (Released:2009-02-19)
参考文献数
11
被引用文献数
1

大豆の吸水時における種子の形状変化を子葉細胞の形状変化の観点から調べ,以下の知見を得た.(1) 大豆は乾燥時には球状体に近い形であるが,吸水すると種子の幅(W)方向や厚さ(T)方向と比較して,長さ(L)方向への膨潤が著しいため楕円体に変形した.しかし,小豆やいんげんは,乾燥時からL方向に長い形をしており,吸水,膨潤してもほぼ元の形状を保っていた.(2) 乾燥大豆の子葉細胞はL方向に収縮しているが,吸水,膨潤すると,L方向に特に大きく膨潤し,細胞間隙が広がることを認めた.(3) 吸水大豆の子葉細胞は,種子のL方向と垂直な長軸をもつ細長い楕円形の回転体に近い形で存在していた.(4) 乾燥大豆の子葉細胞の細胞壁には,種子のL方向と垂直なしわが存在し,子葉細胞はL方向に折りたたまれていることが明らかになった.(5) 大豆の吸水による膨潤は,枝豆種子の乾燥・収縮時における形状変化の逆過程に類似している.なお,大豆種子の吸水・乾燥によるL方向への膨潤・収縮には,皮も関与していると推察した.
著者
堀内 理恵 伊藤 みどり 杉原 好枝 福田 滿 Rie Horiuchi Midori Itou Yoshie Sugihara Mitsuru Fukuda
雑誌
武庫川女子大学紀要. 自然科学編 (ISSN:09163123)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.15-18, 2005-03-31

A survey was carried out on the okara-eating preference and its eating habit among 255 femal students at university and college in Hyogo and Osaka in July 2004. Okara was acceptable food for most of the students. But the majority of them ate okara less than 1 or 2 times per year. In terms of cooking, unohana was ranked at the top. Approximately 65% of the students bought dish cooked with okara in the market.
著者
福田 滿 杉原 好枝 伊藤 みどり 堀内 理恵 浅尾 弘明
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品科学工学会誌 : Nippon shokuhin kagaku kogaku kaishi = Journal of the Japanese Society for Food Science and Technology (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.53, no.4, pp.195-199, 2006-04-15
被引用文献数
5 11

乾燥オカラが付加価値の高い機能性食品素材であることを明らかにするために,オカラの脂質代謝改善効果を調べた.高コレステロール食摂取ラットにオカラを投与したところ,血中コレステロール値の上昇に対する抑制効果,肝臓中性脂肪蓄積抑制効果が認められたが,血中中性脂肪濃度の低下作用はなく,肝臓コレステロール濃度は低下の傾向を示した.血中コレステロール濃度低下に要する期間は4週間であった.以上の結果から,オカラ成分は緩慢ではあるが,血中コレステロール上昇抑制,肝臓脂質蓄積抑制という脂質代謝改善作用を示すことが確認された.