著者
泉 富士夫
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.2-17, 1990-01-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
61
被引用文献数
3

粉末X線・中性子回折データに最小二乗法を適用することにより,1段階で構造を精密化するリートベルト法は,わが国でも多結晶体の構造を調べるための強力な研究手段として定着しつつある.放射光源や強力中牲子源を利用して高分解能のデータを測定すれば,構造が比較的単純な化合物については,単結晶法に匹敵する精度をもつ解析結果が得られる.さらに多くの情報を取り込むには,原子間距離や結合角に制約条件を付加したり,複数組の強度ヂータを合併して解析するとよい.これらの手法は最近Bi2(Sr1-xCax)3Cu2O8+zの変調構造解析にも応用され,酸素配置の決定,ひいては正孔がCuO2シートにドープされる原因の解明に貢献した.理論回折強度をより厳密に記述することが,今後の重要な課題として残っている.

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「待てよ、RIETANって20年前は違う名前だったかも」と思い、30年前に「応用物理」に掲載された総合報告 https://t.co/tvZmc0PrK3 を調べたら、p. 12にRIETANと明記されていた。古すぎる。

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