著者
西村 佐彩子
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.183-194, 2007 (Released:2007-04-10)
参考文献数
26
被引用文献数
4 5 3

曖昧さに対する態度は,これまで曖昧性耐性の低さという,否定的態度を中心とした一次元的な観点から論じられてきた。本研究は,曖昧さへの態度を多側面から測定する尺度の作成を行い,適応との関連を検討した。研究1では,曖昧さへの態度尺度の因子分析を行った結果,曖昧さへの態度は,肯定的態度と否定的態度を含んだ,複数の側面(曖昧さの“享受”,“不安”,“受容”,“統制”,“排除”)から構成されることが示唆された。研究2では,曖昧さへの態度と適応の関連を検討するため,適応の指標として,強迫傾向,抑うつ傾向,愛着スタイルを取り上げた。その結果,強迫傾向,抑うつ傾向,愛着スタイルの不安定型はそれぞれ曖昧さへの否定的態度との関連がみられたが,愛着スタイルの安定型は曖昧さへの肯定的態度との関連がみられた。曖昧さへの態度の各側面によって,適応との関連の仕方が異なることが示された。

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テレワーク化は曖昧性負荷が増える。曖昧耐性をどう身につけるかも必要なのだけれど……。曖昧さに直面したとき、不安になるのか、面白がるのか、どんな態度のときはどう適応していくのかを論じたもの。確かに、適応の型は変わるし、それによってマネジメントも変わりそう https://t.co/d9LOTuMtTS
今ほど「曖昧で不確実な事態」に対して、個々人が、どのような態度を示すかが、問われている時期はないよね。興味深い研究>西村佐彩子(2007)曖昧さへの態度の多次元構造の検討.パーソナリティ研究. 15(2) pp183–194 https://t.co/Hth4rHfRw8 https://t.co/5X7kvrI0IQ
【論文】西村 (2007) 曖昧さへの態度の多次元構造の検討/曖昧さへの態度尺度を作成し、心理的適応との関連を調べた研究。曖昧さへの否定的態度の中でも「不安」は不適応と関連が強い。肯定的態度(受容・享受)は適応を促進。単なる曖昧さの受容のみでは不十分なことを示唆。https://t.co/lYPs3w67um

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