著者
佐藤 滋
出版者
日本財政学会
雑誌
財政研究 (ISSN:24363421)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.226-247, 2007 (Released:2022-07-15)
参考文献数
46

1976年に起きたIMF危機は,イギリスの経済史・政治史に決定的な痕跡を残したできごととして注目されてきた。それは,この時期に大幅な財政支出削減や通貨目標値の導入が決定されたことで,このできごとが戦後イギリスにおける財政金融政策上の一大転換点とみなされてきたからである。それゆえ,IMF危機につづく時期を「ケインズ主義」の失敗が決定づけられ,「マネタリズム」の論理が浸透ないし全面化し始めた時期であると捉える先行研究が散見される。しかし,IMF危機が何らかの転機であったと認めたとしても,それはマネタリズムに基づくものであったとはいえない。本稿では,この時期に形成された政策体系の実態とはいったいいかなるものであったのかを原史料の考証から明らかにし,IMF危機の歴史的意義を明らかにしたい。

言及状況

外部データベース (DOI)

はてなブックマーク (1 users, 1 posts)

Twitter (5 users, 5 posts, 5 favorites)

日本の行く末は戦後のイギリスから学べることが多いと思います。 先端技術に対応できなかったイギリスは1976年3月に通貨危機が起き、同年12月にIMFに救済を求めて事実上、国は破綻しましたが、経済の衰退で通貨危機が起きてから国家は破綻することがイギリスから学べます。 https://t.co/NSj2QFthY2 https://t.co/RUv1My6sA0
1976 年 IMF 危機下における イギリス政策思想の変容 「所得政策によって産業の競争力が阻害されるという IMF の認識は,イギリス政府による労働組合と政府の蜜月を前提とした社会契約路線と正面から衝突していたのである」 #サッチャリズム https://t.co/7hr5jJYhsM
一応、資料を貼っとく https://t.co/on2P5K3uVa https://t.co/OQ3bM9HOZh

収集済み URL リスト