著者
大石 眞
出版者
日本公共政策学会
雑誌
公共政策研究 (ISSN:21865868)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.7-16, 2006-12-10 (Released:2019-03-18)
参考文献数
29

内閣の補助機関である内閣法制局は,「国制知」の有力な担い手であり,明治憲法時代から第2次世界大戦後の憲法・憲法附属法などの制定過程を経て今日にいたるまで,人事を含むさまざまな形で国政秩序の形成,運用に寄与する機能を果たしている。法制局の所掌事務は,主として法令案の審査を行う審査事務と法律問題に関する意見事務とに分かれるが,法律問題に関する国会答弁・政府統一見解の作成も,その重要な職務の1つに数えられる。法制局の審査事務は,内閣提出法案・政令案を合せると,年間平均して650件に及んでいるが,とくに各省庁が立案する内閣提出法案については,国民の権利義務との関係を含む憲法適合性や法体系全体との整合性などの観点から厳しい審査が行われる。憲法訴訟において法律が違憲とされる事例が少ないのは,その当然の結果である。他方,かつて意見事務の主要な部分を占めていたのは,法令の解釈問題に関する各省庁からの照会に対して文書で回答する法制意見であり,政府・行政部内では最高裁判所の判例に準ずる機能をもち,その意味で国政秩序の形成・運用に大きな貢献をしてきた。しかし,戦後法制の定着・国会審議の活性化・憲法裁判例の増加といった状況を背景として,法制意見は減少し,代わって口頭意見回答が増加している。法制局が所掌事務を行うに当たって,学界等の権威者から助言と協力を受けるため,1960年以来,参与会の制度が設けられているが,その実質的影響力などは未だよくわからない。

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