著者
羽田 匡宏
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.67, no.8, pp.1768-1772, 2006-08-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
19
被引用文献数
1 1

症例は25歳,男性.下痢と咽頭痛にて当院内科を初診したところ,甲状腺腫大および甲状腺機能亢進を認めバセドウ病と診断された.抗甲状腺療法を施行したところ甲状腺機能は速やかに改善された.経過中に前縦隔腫瘍が指摘され, MRIにて胸腺腫が否定できないため手術目的に当科紹介となり,腫瘍摘出術を施行した.病理組織診断は胸腺過形成であった.バセドウ病に合併する胸腺過形成は古くから報告されているが,臨床現場ではあまり知られていない.最近では甲状腺機能を正常化することで保存的に胸腺の縮小が得られるとされている.しかし,胸腺腫が否定できない場合には摘出術も考慮すべきと考えられた.

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