- 著者
-
松本 洋
- 出版者
- 安全工学会
- 雑誌
- 安全工学 (ISSN:05704480)
- 巻号頁・発行日
- vol.48, no.3, pp.185-190, 2009-06-15 (Released:2016-10-31)
- 参考文献数
- 16
国内では,年平均6 件ほどの粉じん爆発事故が起きていると推定されている.危険物施設でも年間に3 ~4 件の粉じん爆発事故が発生していることから,粉じん爆発のほぼ半数が危険物施設で発生していると考えられる.粉じん爆発では,高温の燃焼生成物が燃えながら飛来することから重度の火傷を負うことが多く,ほとんどの事例で死傷者が発生している.米国でも,多数の死傷者を伴う大規模な粉じん爆発事故が絶えない.粉じん爆発は,可燃性の粉体を取り扱うすべての場所で発生する可能性があるが,身近な潜在リスクとして認識されることが少ない.そこで,国内の危険物施設における粉じん爆発事例と米国の大規模粉じん爆発事例を紹介するとともに,その危険性と防止対策について述べた.