著者
齋藤 智也
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.55, no.4, pp.244-252, 2016-08-15 (Released:2016-08-15)
参考文献数
40

オリンピックのようなマスギャザリングは,公衆衛生危機管理の重要課題である.注目度が高く,テロのリスクにも備える必要がある.生物剤によるテロは,可能性は低いが,社会的影響は非常に大きい.マスギャザリングはその対策を見直しつつ,中長期的な対応能力を底上げする良い機会である.サーベイランスは,中核的対応能力の一つである.社会的関心が高い故,より低い閾値で,より素早い対応が求められる.特に「何も起きていないことの確認」が最大の課題となる.なお,サーベイランス能力の開発は,感染症のみならず,全ての健康危機管理を念頭に置くべきである.テロ対策の文脈では,公衆衛生機関に様々な機関との連携が求められる.特に,治安部局とのリスク・脅威評価の共有や,初動対応部局との統合的運用能力が重要であり,演習による強化が不可欠である.

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@WAT84784722 奇しくも2016年の論文で言及されていた事態が現実になってしまいましたねー( ˘•ω•˘ ) https://t.co/6IeVadnJGS
J-STAGE Articles - <b>2020 </b><b>東京オリンピック・パラリンピックと生物テロ対策 </b> https://t.co/afgetLZNMR 生物テロのような事態が起きている。
東京オリンピック・パラリンピックと生物テロ対策 https://t.co/afgetLZNMR リスク・脅威の蓋然性によっては,会場内外で,エアロゾル化された生物剤が散布されるよう なシナリオにも備える必要がある.屋外ではドローンのような機材を使った広域散布があるかもしれない. →新型コロナウイルスは?

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