著者
長谷川 公一
出版者
東北社会学研究会
雑誌
社会学研究 (ISSN:05597099)
巻号頁・発行日
vol.103, pp.7-20, 2019-10-16 (Released:2021-10-24)
参考文献数
19

ポピュリズムや反エリート主義、既成のマスメディアへの反感、反グローバリズムなどと結びついて反知性主義が猛威を奮っている。「ポスト真実」の時代の民主主義の危機は、日米英などにとどまらない、現代の先進産業社会に共通する根深い構造的な問題である。リベラリズムと普遍主義的な志向の退潮とともに、民主主義の危機は一層深刻度を増している。グローバル化する経済のもとでの格差の拡大とSNSなどの発達が、価値パターンの分断と亀裂をいよいよ深刻化させている。各個人向けにパーソナル化されたフィルターバブルによって、インターネットは、対話のメディアから、「意見の異なる他者を排除するための装置」に変質している。「ポスト真実」は一過的な徒花ではない。その意味で、パーソンズによる「ホッブズ的秩序問題」の二一世紀的な意義が再評価されるべきである。 本稿は、特集の清水・上田・寺田・鈴木論文に対するコメントである。

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長谷川 公一「公共圏への回路と新たな秩序問題」 https://t.co/4PjUxSWBIo
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