著者
吉田 美穂 川崎 弘作
出版者
一般社団法人 日本理科教育学会
雑誌
理科教育学研究 (ISSN:13452614)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.185-194, 2019-07-31 (Released:2019-08-29)
参考文献数
29
被引用文献数
1

小学校の理科授業の多くは「なぜ」という疑問を見いだす場面から学習が開始される。しかしながら,「なぜ」という抽象的な疑問のままではその後の探究活動につながりにくく,このような疑問を,探究の方向性を意味づけるより具体的な問いに変換する思考力が学習者には求められる。本研究では,このような疑問から問いへ変換する際の思考力の育成を目指すにあたって,疑問から問いへの変換過程における思考の順序性を明らかにするための調査および分析を行った。その結果,疑問から問いへ変換する際の思考の順序性(主として「問題状況の確認→既有知識の想起→要因の検討→仮説の形成→問いの設定」)が明らかになった。さらに,この過程を仮説を形成するまでの問題解決過程として整理すると,先行研究における問題解決過程「疑問の認識→問いの設定→仮説の形成」とは異なり,「疑問の認識→仮説の形成→問いの設定」と整理することができた。

言及状況

外部データベース (DOI)

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「なぜ~?」からはじまる疑問を,「何が」や「どのように」を用いた問いに変換する思考過程を調査する方法が,興味深かったです。 発話思考法(海保・原田,1993) 考えていることを全て口に出しながら課題を達成することを求め,発話を書き起こして分析します。 https://t.co/FEusQMtend https://t.co/B6Royp0vm9
前回,紹介した論文「科学的探究における疑問から問いへ変換する際の思考の順序性の解明に関する研究」について,質問にお応えいただいたり,具体的な実践についてご教授いただきます。 https://t.co/JAw1IgWkJA
ご紹介ありがたいです。この研究成果により、私の理科の授業の導入が大きく変わりました。 引用論文 吉田・川崎(2019)「科学的探究における疑問から問いへ変換する際の思考の順序性の解明に関する研究」理科教育学研究、60(1),185-194 https://t.co/vhvtcYQih6 https://t.co/4WxZZroOXQ

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