著者
谷村 省吾
出版者
素粒子論グループ 素粒子論研究 編集部
雑誌
素粒子論研究 (ISSN:03711838)
巻号頁・発行日
vol.85, no.1, pp.1-89, 1992-04-20 (Released:2017-10-02)

量子力学系の断熱変化に伴う位相因子-Berryの位相というものがある.それは断熱変化ののちに量子系が元の状態に戻っても,元に戻らない余分な位相因子である.これに似た現象が古典力学にもある.自力で変形可能な,宙に浮いた物体-例えば猫,名前はTomとい-は,変形して元の形に戻っても,その向きは元通りにならない,つまり宙返りすることがある.これらの現象はともに接続の微分幾何の言葉で捉えられることを解説する.また,接続の微分幾何はゲージ理論の一側面を担っているが,この幾何学の観点から見るとき,量子系・古典系・ゲージ理論に多くの類似点・対応物があることがわかる.これらの点について一般的に考察する.最後に具体例を構成する.とくにその例の中で,複素射影空間P^2(C)上の新しい型のインスタントン的な接続を示す.

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ちなみにこんなお茶目なタイトルの論文があったりする トムとベリー : 量子力学および古典力学の微分幾何学的側面とゲージ理論について https://t.co/cragYmlXfO
出版社(ダイヤモンド社)さん、なんで私にこの本を贈ってくださったのだろう…という心当たりはあります。私は修士論文で猫の宙返りの数理的研究をやっていました・・・ 谷村省吾『トムとベリー : 量子力学および古典力学の微分幾何学的側面とゲージ理論について』 https://t.co/yjs2v4c5GA
+幾何学、かな。 https://t.co/uxtm2TtjWg https://t.co/9n9q1raefr
でも、この修士論文『トムとベリー』を素粒子論研究に投稿して載せてもらったことによって、私、素粒子論業界にデビューしたんですよね。タイトル受け狙いなんだけど、おかげで多くの人に覚えてもらいました。正解でした(内容はまじめですよ)。https://t.co/yjs2v4c5GA
谷村さんの修論よんでる https://t.co/5UmrgNSDPP
物理の猫をもう一匹挙げておこう。谷村省吾「猫と電子はゲージ場を知っている」 https://t.co/QmhYhOPbhF専門家はこちら「トムとベリー : 量子力学および古典力学の微分幾何学的側面とゲージ理論について」https://t.co/gOvwNmcFPS

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