- 著者
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森脇 良二
- 出版者
- THE TOHOKU GEOGRAPHICAL ASSOCIATION
- 雑誌
- 東北地理 (ISSN:03872777)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, no.2, pp.76-81, 1965 (Released:2010-10-29)
- 参考文献数
- 6
仙台市への通勤通学者数は1930年から1960年の間に約9倍に増加し, それに伴って仙台市を中心とする通勤通学圏も著しく拡大した。1930年の仙台市通勤通学圏を構成していた8市町村と, 当時圏内に入っていなかったがこれと隣接し仙台市との結びつきが比較的強かった4町村とからなる地域が, 1960年には仙台市の第1次通勤通学園へと発展した。1930年の圏の周囲にあって, 当時仙台市との間に通勤通学を通じてある程度の結びつきを有していた7市町村と, 殆ど結びつきを有していなかった8市町村とがらなる地域が, 1960年には第2次圏を構成している。1930年当時仙台市との間にある程度の結びつきを有していた7市町村の中の5市町村はいずれも主要鉄道路線沿いであるのに対して, 殆ど結びつきを有していなかった8市町村の中の6市町村は直接鉄道路線に沿わないバス交通またはバス・鉄道双方依存型の市町村である。1930年の通勤通学圏および1960年の第1次圏はいずれも仙台を中心とする主要鉄道路線沿いに広がっており, その発達には鉄道交通の影響が強くうかがわれる。1960年の第2次圏についても当然主要鉄道路線との関連は濃厚であるが, 鉄道路線沿い以外の地域にも圏の拡大がみられ, その発達にはバス交通の影響がうかがわれる。