著者
野口 晃菜 米田 宏樹
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.413-422, 2012 (Released:2013-09-18)
参考文献数
41

米国では、連邦法により、障害のある児童生徒も通常教育カリキュラムへアクセス可能とすることが各州に義務付けられている。本稿では、障害児教育が場の議論からカリキュラムの議論へ移行した背景を整理し、通常教育カリキュラムへのアクセス方法および知的障害カリキュラムの研究動向と成果を整理した。通常教育カリキュラムへのアクセスは、スタンダード・ベース改革とインクルーシブ教育の実践レベルでの課題の両方への対策として講じられた。アクセス方法に関しては、RTI導入や「カリキュラム修正」が挙げられた。知的障害のある児童生徒については、教科の機能的内容が科学的根拠に基づき指導され始めている。スタンダードに基づいた教育内容の指導および試験への参加が、障害のある児童生徒の教育成果を測る方法として適切であるのか、通常教育カリキュラムへのアクセスが、多様なニーズに対応するインクルーシブ教育として評価され得るのか、検討されなければならない。

言及状況

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アメリカの話だけど、インクルーシブ 教育の議論が場の議論からカリキュラムの話へ移行したのを概観したのはこの論文。 米国における通常教育カリキュラムの適用を前提とした障害児教育の展開 野口 晃菜, 米田 宏樹 https://t.co/T24r4KCY6f
大阪市の学力テストを評価に用いるニュース。障害のある子どもたちへの教育へも大きく影響する。こちらはアメリカについてまとめたものですが、そもそも「個々に応じた教育」の成果を限定的な学力試験のみで評価することはインクルーシブ教育と逆方向。 https://t.co/T24r4KCY6f
特殊教育学研究、ネット上で入手できるんだ!おととしの論文。https://t.co/1hcbE58qoT

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