著者
岡本 透 大丸 裕武 池田 重人 吉永 秀一郎
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.215-226, 2000-06-01
参考文献数
30
被引用文献数
2 or 0

下北半島北東部の太平洋岸には,砂丘砂や泥土に覆われたヒバの埋没林が各所に認められる.この埋没林の形成期は,約2,600~2,000年前,約1,000~850年前,約500年前,および現代である.調査地域に分布する砂丘砂中に認められる埋没腐植層の年代は,<sup>14</sup>C年代値と白頭山苫小牧火山灰の年代から,約5,300年前,約2,700年前,約1,000~900年前,約600~500年前,そして約200年前に区分された.埋没腐植層の年代により,調査地域に分布する砂丘の形成期は,約5,000年前以降,約2,500年前以降,約1,000年前以降,約600年前以降,約100年前以降と推定された.約2,500年前以降は,砂丘の形成期の年代とヒバ埋没林の形成期の年代とがほぼ一致するため,ヒバ埋没林の形成には砂丘砂の移動が大きく関与している.約2,600~2,000年前のヒバ埋没林は,その年代と分布から,約3,000~2,000年前の小海退にともなう砂丘砂の移動によって形成された.約1,000年前以降に形成された砂丘については,人為的影響によって形成された可能性がある.<br>一方,調査地域周辺には,約700~500年前の製鉄遺跡が数多く分布し,江戸時代後期にも南部藩などによって製鉄が試みられている.砂鉄採取のための砂丘の掘り崩しや,製鉄用の木炭を得るための沿岸部における森林伐採といった人為的影響によって,約600年前以降と約100年前以降に砂丘砂の移動があった.それにともなって,約500年前,現代の年代を示すヒバ埋没林が形成された.

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下北半島北東部に分布するヒバ埋没林の成因に関わる人為的影響 https://t.co/TQ1eF8WG1m

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