- 著者
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寺田 文典
栗原 光規
西田 武弘
塩谷 繁
- 出版者
- Japanese Society of Animal Science
- 雑誌
- 日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
- 巻号頁・発行日
- vol.68, no.2, pp.163-168, 1997-02-25
- 参考文献数
- 16
- 被引用文献数
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95例の泌乳牛による窒素出納試験成績を用いて,泌乳牛に由来する糞尿中への窒素排泄量の推定式を作成し,その低減の可能姓について検討した.その結果,1) 4%乳脂補正乳(FCM)1kg当たりの窒素排泄量(N/FCM)は,N/FCM(g/kg)=-14.48×ln(FCM)+0.806×CP+0.769xDMI+31.4(CP;粗タンパク質,%DM,DMI;乾物摂取量,kg)により推定することができた(R<sup>2</sup>=0.864,RSD=0.92).2)N/FCMに対するln(FCM),CP,DMIの偏相関係数は,順に,-.917,.828,.830であり,N/FCMがFCM量の増加とともに減少し,CP水準の上昇,乾物摂取量の増加とともに増加することが示された.3) したがって,FCM生産量当たりのN排泄量の低減化のためには,乳量水準の増加を図ること,CP水準を御制すること,エネルギー濃度の向上を図り,乾物摂取量を抑制すること等が有効であるものと考えられた.