著者
額爾敦 巴雅爾 西田 武弘 松山 裕城 細田 謙次 塩谷 繁
出版者
公益社団法人 日本畜産学会
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.295-301, 2005 (Released:2006-08-16)
参考文献数
27
被引用文献数
10 5

混合飼料(TMR)中の緑茶飲料製造残渣サイレージ(TGS)配合割合の違いが泌乳牛の飼料摂取量,ルーメン発酵および乳生産に及ぼす影響を調べた.ホルスタイン種泌乳牛4頭を用い,TMR中TGSを乾物比で0,5,10および15%配合とするTGS0,TGS5,TGS10およびTGS15の4区を設け,4×4ラテン方格法による飼養試験を実施した.乾物摂取量は,TGS0に比べTGS5で変化がなかったものの,TGS10で減少する傾向にあり,TGS15で有意に減少した(P<0.05).乳量は,TGS0とTGS5に比べTGS15で有意に低下した(P<0.01).乳タンパク質率と乳脂率は,4区間に差はなかったが,乳糖率は,TGS15で有意に低かった(P<0.05).ルーメン内容液のpHおよび総VFA濃度に区間差はなかったが,プロピオン酸のモル比率はTGS15で,アンモニア態窒素濃度はTGS10とTGS15でそれぞれ有意に低かった(P<0.05).以上の結果から,TGSは,乳量30kg程度の泌乳牛用TMRの素材として利用でき,乾物比5%程度の配合であれば乳量,乳成分に影響しないと考えられた.
著者
水野 和彦 塩谷 繁 藤本 文弘
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.316-324, 1997-10-31
被引用文献数
6

オーチャードグラスの国内外の延べ16品種を対象に,5年間にわたり延べ17の農業形質を調査し,主にホルスタイン種育成雌牛で評価した嗜好性との関係を解析した。出穂期の嗜好性は品種の出穂茎率と高い相関を示した。栄養生長期の再生草の嗜好性は,その品種の手触りによる茎葉の柔軟性,耐病性(初夏の雲形病,夏の葉腐病,夏から秋のさび病)及び枯れ葉率と比較的高い相関を示し,これらの形質には品種間差異も存在したことから,今後嗜好性の選抜指標として有用と考えられた。葉の形態的形質(葉幅,葉厚,葉長及び鋸歯,毛茸)については,いずれも嗜好性との相関は認められなかった。高嗜好性品種Ludeは,柔軟性が高く,耐病性に優れていた。
著者
寺田 文典 栗原 光規 西田 武弘 塩谷 繁
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.163-168, 1997-02-25
参考文献数
16
被引用文献数
10 1

95例の泌乳牛による窒素出納試験成績を用いて,泌乳牛に由来する糞尿中への窒素排泄量の推定式を作成し,その低減の可能姓について検討した.その結果,1) 4%乳脂補正乳(FCM)1kg当たりの窒素排泄量(N/FCM)は,N/FCM(g/kg)=-14.48×ln(FCM)+0.806×CP+0.769xDMI+31.4(CP;粗タンパク質,%DM,DMI;乾物摂取量,kg)により推定することができた(R<sup>2</sup>=0.864,RSD=0.92).2)N/FCMに対するln(FCM),CP,DMIの偏相関係数は,順に,-.917,.828,.830であり,N/FCMがFCM量の増加とともに減少し,CP水準の上昇,乾物摂取量の増加とともに増加することが示された.3) したがって,FCM生産量当たりのN排泄量の低減化のためには,乳量水準の増加を図ること,CP水準を御制すること,エネルギー濃度の向上を図り,乾物摂取量を抑制すること等が有効であるものと考えられた.
著者
額爾敦 巴雅爾 西田 武弘 松山 裕城 細田 謙次 塩谷 繁
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.295-301, 2005-08-25
被引用文献数
8 5

混合飼料(TMR)中の緑茶飲料製造残渣サイレージ(TGS)配合割合の違いが泌乳牛の飼料摂取量,ルーメン発酵および乳生産に及ぼす影響を調べた.ホルスタイン種泌乳牛4頭を用い,TMR中TGSを乾物比で0,5,10および15%配合とするTGS0,TGS5,TGS10およびTGS15の4区を設け,4×4ラテン方格法による飼養試験を実施した.乾物摂取量は,TGS0に比べTGS5で変化がなかったものの,TGS10で減少する傾向にあり,TGS15で有意に減少した(P<0.05).乳量は,TGS0とTGS5に比べTGS15で有意に低下した(P<0.01).乳タンパク質率と乳脂率は,4区間に差はなかったが,乳糖率は,TGS15で有意に低かった(P<0.05).ルーメン内容液のpHおよび総VFA濃度に区間差はなかったが,プロピオン酸のモル比率はTGS15で,アンモニア態窒素濃度はTGS10とTGS15でそれぞれ有意に低かった(P<0.05).以上の結果から,TGSは,乳量30kg程度の泌乳牛用TMRの素材として利用でき,乾物比5%程度の配合であれば乳量,乳成分に影響しないと考えられた.