著者
天野 裕 土肥 真人
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.733-738, 2008-10-15
参考文献数
14
被引用文献数
1

本研究の目的は、迅速かつ大量に住宅供給を可能とした復興政策の立案過程と、市民社会の台頭の契機となった復興活動の生成過程を具体的に把握し、震災以前のメキシコシティの住宅政策、借家人運動の系譜を参照しつつ、市民セクターがメキシコ震災復興に果たした役割を明らかにすることである。結論として、メキシコ大地震の復興プロセスにおいて民衆セクターが果たした役割を、以下の2点に集約した。1. 震災以前に借家人運動の前史を持つ組織が、被災者の動員型要求運動を牽引し、公布後半年間停滞していたRHP実施のための要件を、政府と民衆セクターの協定という形で具体化した。2. 協定の締結により、低所得層に属する被災者の経済状況に配慮した大量の住宅供給と、少数ではあるが民衆セクターの自助努力による包括的コミュニティデベロップメントを達成した。

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災害時の住宅復興におけるNPOや大学関係の取り組み事例としては、http://t.co/6vHgHeh3 が参考に。復興公営住宅も多少住民参加で作れればいいのですが。セルフビルドとはいかないまでも、デザインビルドにかむ形で。「自らの場」という意識が生まれることの大事さ。

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