著者
中谷 朋昭 宮田 歩 澤内 大輔 桟敷 孝浩 山本 康貴
出版者
富民協会
雑誌
農林業問題研究 (ISSN:03888525)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.100-103, 2010-06-25
参考文献数
6

WTO設立以後、関税障壁が低くなる一方で、植物検疫措置が新たな貿易障壁として注目されている。植物検疫措置とは、外国からの病害虫侵入および国内蔓延を防ぐ目的を持つ法律や規則、公的手続による措置のことである。植物検疫措置は、輸出国と輸入国でとらえ方が異なる場合も多い。このため、輸出国側は、輸入国側が病害虫の侵入・蔓延を防ぐという点を「口実」にして不当に農産物輸入を制限しているととらえ、輸入国側との間で国際紛争となる場合も多い。リンゴの火傷病に対する日本の植物検疫措置を経済分析した代表的研究として、Yue、Beghin and Jensenは、日本の植物検疫措置がリンゴ輸入を制限する効果(輸入制限効果)を有する点を示した。しかし、WTOの審議結果によって火傷病に対する植物検疫措置が変更された後も、米国から日本へのリンゴの輸出が殆どない状況にある。したがって、リンゴの火傷病に対する日本の植物検疫措置が輸入制限効果を有しているというYue、Beghin and Jensenの結果は、再検討されるべきと考える。

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こんな論文どうですか? 植物検疫措置が貿易制限に及ぼす効果の計量分析:―リンゴの火傷病に対する日本の措置を事例として―(中谷 朋昭ほか),2010 https://t.co/DTu9EkeDjH

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