- 著者
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桟敷 孝浩
玉置 泰司
高橋 義文
阿部 信一郎
井口 恵一朗
- 出版者
- 日本陸水学会
- 雑誌
- 陸水学雑誌 (ISSN:00215104)
- 巻号頁・発行日
- vol.73, no.2, pp.73-80, 2012 (Released:2013-08-21)
- 参考文献数
- 21
- 被引用文献数
-
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内水面漁業協同組合によるアユ(Plecoglossus altivelis altivelis)の増殖は,内水面漁業や遊漁に果たす役割だけでなく,アユが付着藻類を摂餌することで景観を保全する機能を有している。本研究の課題は,アユ増殖への取り組みから発現する,川の景観保全効果に対する経済的価値を計測するとともに,景観保全効果の経済的価値に影響を与える要因を明らかにすることである。本研究では,アンケート調査で得られた北海道と沖縄県を除く全国838サンプルを用いて,二段階二肢選択形式の仮想市場評価法による分析をおこなった。分析の結果,アユ増殖による川の景観保全効果に対する経済的価値は,1世帯当たり平均WTP(支払意志額)で4,216円と評価された。景観保全効果の経済的価値に影響を与える要因は,“川のそばで散歩やジョギングなどをしたことのある回答者”,“川で水泳や水遊びをしたことのある回答者”,“沢登りをしたことのある回答者”,“居住地から1 km以内に川がある回答者”,“より高い年間世帯所得の回答者”,“アンケートでより低い提示額の方が支払いやすい回答者”であることが解明された。