著者
坂村 圭 中井 検裕 中西 正彦
出版者
The City Planning Institute of Japan
雑誌
都市計画論文集 = Papers on city planning (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.1009-1014, 2011-10-25

近年、地方自治体の財政難、住民ニーズの多様化など公立美術館を取り巻く環境は大きく変化しており、管理者は効率的な事業運営のもと事業を実施していくことが求められている。このような社会的背景から平成15年度に指定管理者制度が美術館へも導入されることとなった。しかし、地域文化と関わりの深い美術館への本制度の適用に関しては、自治体からの批判や運営に際しての問題点も多く、導入も顕著に進んでいない。今後、民間活力の登用を視野に入れて運営を効率化していくためには、現在の美術館に対する制度の包括的な効果と問題点を把握し、適切な導入手法を提供していく必要がある。本研究では、まず美術館における制度導入の実態を把握し、続いて制度導入による運営部門、学芸部門の変容を分析した。分析の結果、近年の公立美術館全般の運営費削減の実態が示せ、加えて制度導入による実施事業の質と量の改善が示せた。一方、制度導入手法の偏りも明らかになり、制度の導入を機に、各種問題が内包されていることが判明した。今後、公立美術館の運営改善のために本制度の導入を推し進めることは効果的だが、制度導入の環境や条件を整備していく必要があるだろう。

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“CiNii 論文 -  美術館運営に対する指定管理者制度導入の効果と課題に関する研究” https://t.co/Qs4ia6hqFS

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