著者
吉村 輝彦
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 = Papers on city planning (ISSN:1348284X)
巻号頁・発行日
vol.46, no.3, pp.1033-1038, 2011-10-25
参考文献数
2

近年、まちづくりを進めていく上で、地域の中で、自分たちで意思決定を行い、自分たちで実行できるシステムを作っていくことの重要性が認識されてきている。行政中心の上意下達に基づく「統治(カバメント)」から「共治(ガバナンス)」を目指した多様な主体の重層的な連携、協働と共創によるまちづくりへの展開では、まちづくりの主体やマネジメントの仕組みが転換していく。ここでは、より対話と交流を基盤にしたまちづくりの展開のあり方が問われている。そんな中で、名古屋市の地域委員会制度による地域予算を決めていく取り組みは、対話や熟議に基づくまちづくりの展開やガバナンスの観点から注目される。地域委員会は、地域課題を解決するために、投票で選ばれた委員を中心に公開の場で話し合い、市の予算(税金)の一部の使途(配分)を決める「新しい住民自治の仕組み」として創設された。本研究では、地域委員会制度の実施プロセスの実態を踏まえ、地域委員会という場が、対話や熟議に基づくまちづくりを展開していく上で、どのような意義や課題があるのかについて考察する。

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