著者
田中 一彦
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.963-976, 2000

0. はじめに : 推理小説とは一種の物語の形式のことであるといってよい。つまり, 推理小説とは「謎解き」の形式をした物語のことなのである。その「謎」は多岐にわたる。推理小説における代表的な「謎」には「犯人あて」と言われるものがある。たとえば, あるところで殺人などの犯罪が発生する。その物語の探偵はさまざまな手がかりを元にしてその犯人を推理していく。このような探偵の論理的な謎解きのプロセスを楽しむのが推理小説を読む醍醐味の一つである。これに加えて, 推理小説を読む最高の楽しみは物語中の探偵とともに読者自身も論理的に謎を解いていくことにある。……

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国会図書館の蔵書を検索してみると、早川のミステリマガジンで1991年6月に折原一「本格推理と叙述トリック」 https://t.co/GbXPtJ7Rpe というコラムがあるのが最古のようです。 また論文検索でも2000年の田中和彦「協調の原理と叙述トリック」 https://t.co/KrBCubfItO が最古。 https://t.co/i5mvBSdrnl
@Birdsareplaying これは探偵小説を題材に、探り合いという会話のルールに焦点化したものです。 田中一彦「協調の原理と叙述トリック」 https://t.co/Y1cEx4Q86X #CiNii

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