著者
田中 一彦
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.963-976, 2001-12
著者
磐下 徹 久米 舞子 北村 安裕 堀井 佳代子 宮川 麻紀
出版者
大阪市立大学大学院文学研究科
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
no.72, pp.173-161, 2021-03-31

『水左記』は平安時代後期に村上源氏の源俊房(一〇三五~一一二一)が残した日記である。平安期の貴族の日記には、儀式・年中行事の様子を中心に、朝廷内外の出来事が記録されている。これらの記事は、当時の政治・行政・社会の在り方を伝える貴重な史料である。また、『水左記』には一〇六二~一一一三年までの記事が断続的に残されているが、この期間には摂関政治から院政へという政治形態の大きな変化が生じている。このことから、この日記は古代から中世への移行期の様相を知るうえで重要な史料であるといえる。今回はこうした『水左記』の康平七年(一〇六四)四月~閏五月の記事を紹介するとともにその註釈を提示して、時代の大きな転換期である平安時代後期研究の一助としたい。
著者
藤本 浩之輔
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.315-330, 1968
著者
張 振康
出版者
大阪市立大学大学院文学研究科
雑誌
人文研究 : 大阪市立大学大学院文学研究科紀要 = Studies in the humanities : Bulletin of the Graduate School of Literature and Human Sciences, Osaka City University (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.72, pp.77-97, 2021

媽祖信仰が南宋期に珠江デルタ地域に伝わっていくようになってから、現地で発生した南海神信仰との出会い、融合、衝突といった交差が始まる。先学にはすでに両者の比較をめぐって取り扱ったものがある。しかし、この両信仰の具体的交差についてまだ十分に検討されたとは言い難い。本稿では、慶元年間に起こった大奚山の反乱事件、および南宋期広州城における両信仰とかかわる祭祀空間、この二つの事項を通して、南宋期珠江デルタ地域における南海神信仰と媽祖信仰の関係性をめぐって検討を行う。関連した歴史的考察を通して、せめて南宋期において、媽祖信仰が珠江デルタ地域での影響力が限られていた。つまり、当該地域において、南海神信仰と媽祖信仰といった両者の影響力の間には、著しい差異がみられる。
著者
田中 一彦
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.963-976, 2000

0. はじめに : 推理小説とは一種の物語の形式のことであるといってよい。つまり, 推理小説とは「謎解き」の形式をした物語のことなのである。その「謎」は多岐にわたる。推理小説における代表的な「謎」には「犯人あて」と言われるものがある。たとえば, あるところで殺人などの犯罪が発生する。その物語の探偵はさまざまな手がかりを元にしてその犯人を推理していく。このような探偵の論理的な謎解きのプロセスを楽しむのが推理小説を読む醍醐味の一つである。これに加えて, 推理小説を読む最高の楽しみは物語中の探偵とともに読者自身も論理的に謎を解いていくことにある。……
著者
磐下 徹 久米 舞子 堀井 佳代子
出版者
大阪市立大学大学院文学研究科
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
no.71, pp.157-171, 2020-03-31

『水左記』は平安時代後期に村上源氏の源俊房(一〇三五~一一二一)が残した日記である。平安期の貴族の日記には、儀式・年中行事の様子を中心に、朝廷内外の出来事が記録されている。これらの記事は、当時の政治・行政・社会の在り方を伝える貴重な史料である。また、『水左記』には一〇六二~一一一三年までの記事が断続的に残されているが、この期間には摂関政治から院政へという政治形態の大きな変化が生じている。このことから、この日記は古代から中世への移行期の様相を知るうえで重要な史料であるといえる。今回はこうした『水左記』の康平五・六年(一〇六二・三)の記事を紹介するとともにその註釈を提示して、時代の大きな転換期である平安時代後期研究の一助としたい。
著者
藤井 康生
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.7-32, 1996
著者
島 和博
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.577-613, 1998

1 はじめに : まず最初に, 今年(1998年)の8月に大阪市立大学が実施した調査から得られた一つのデータを提示する。このデータは(表1)に掲げたように1998年8月時点での, 大阪市内全域における野宿生活者の「概数(人数)」と「概況(居住状況)」を「行政区別」に示したものである。……
著者
杉井 正史
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.29-40, 2002

シェイクスピアの『夏の夜の夢』は、彼の劇の最高傑作であると言われている。ロマンティックな雰囲気や筋の滑稽さだけではなく、演劇に対するさまざまな示唆があるからである。『夏の夜の夢』では、さまざまな人物が登場する。第一の登場人物のグループは、アテネの貴族社会の人間たちであり、領主のシーシアス(Theseus)、彼と間もなく結婚することになるアマゾン国の女王のヒポリタ(Hippolyta)、と臣下たちとその若い恋人たちなどである。第二のグループは、機屋のニック・ボトム(Nick Bottom)や大工のピーター・クィンス(Peter Quince)などの職人階級のグループである。第三のグループは、妖精の王オベロン(Oberon)とその妻のタイタニア(Titania)、そしてパック(Puck)など部下の妖精たちである。時は、聖ヨハネの祝日の6月24日の前夜というみずみずしい季節であり、場所は森の中、そして神秘的な妖精たちの登場。これらのロマンティックな雰囲気、そして妖精の惚れ薬による若い恋人たちの恋の騒動、妖精の女王タイタニアのロバに変身したボトムへの恋、職人たちによる間違いだらけの劇の上演のような滑稽な筋。これらが人々に好まれる理由であるに違いない。……
著者
片山 智行
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.314-331, 1973