著者
田中 一彦
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.52, no.11, pp.963-976, 2001-12
著者
磐下 徹 久米 舞子 北村 安裕 堀井 佳代子 宮川 麻紀
出版者
大阪市立大学大学院文学研究科
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
no.72, pp.173-161, 2021-03-31

『水左記』は平安時代後期に村上源氏の源俊房(一〇三五~一一二一)が残した日記である。平安期の貴族の日記には、儀式・年中行事の様子を中心に、朝廷内外の出来事が記録されている。これらの記事は、当時の政治・行政・社会の在り方を伝える貴重な史料である。また、『水左記』には一〇六二~一一一三年までの記事が断続的に残されているが、この期間には摂関政治から院政へという政治形態の大きな変化が生じている。このことから、この日記は古代から中世への移行期の様相を知るうえで重要な史料であるといえる。今回はこうした『水左記』の康平七年(一〇六四)四月~閏五月の記事を紹介するとともにその註釈を提示して、時代の大きな転換期である平安時代後期研究の一助としたい。
著者
藤本 浩之輔
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.315-330, 1968
著者
兒島 峰 Kojima Mine
出版者
神奈川大学人文学会
雑誌
人文研究 (ISSN:02877074)
巻号頁・発行日
no.178, pp.81-129, 2012

This paper analyzes how movies can showcase experiences during historical moments and evoke the consciousness of people throughfeature films such as "Even the Rain" (Icíar Bollaín, 2010), inspired by the "Water War" that broke out in Cochabamba, Bolivia in 2000. First, I elaborate on the film's story and indicate the different reception it received in Spain, where the film was made, and Bolivia,where it was shot. It was well received in Spain because it depicted the parallelism in history between the Conquest era and present day,and the resistance of a united people against oppression. In contrast,in Bolivia, it was received with a polemic because it was considered to be plagiarized from the Bolivian film "To Hear the Birds Singing"(Jorge Sanjinés, 1995)and accused of having a colonial view of the film.Second, to clarify the bases of such contrasting critiques, I attempt to examine the historical and social visions of both societies, one suzerain and the other colonized. Third, I explain the historical process, politicoeconomic background, and the impact of ochabamba's "Water War" on Bolivian and international societies, and clarify how this crucial historical subject is reconstructed and what message is conveyed through the film. Finally, I suggest how we can learn the history and facts through the films.
著者
田中 一彦
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.963-976, 2000

0. はじめに : 推理小説とは一種の物語の形式のことであるといってよい。つまり, 推理小説とは「謎解き」の形式をした物語のことなのである。その「謎」は多岐にわたる。推理小説における代表的な「謎」には「犯人あて」と言われるものがある。たとえば, あるところで殺人などの犯罪が発生する。その物語の探偵はさまざまな手がかりを元にしてその犯人を推理していく。このような探偵の論理的な謎解きのプロセスを楽しむのが推理小説を読む醍醐味の一つである。これに加えて, 推理小説を読む最高の楽しみは物語中の探偵とともに読者自身も論理的に謎を解いていくことにある。……
著者
磐下 徹 久米 舞子 堀井 佳代子
出版者
大阪市立大学大学院文学研究科
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
no.71, pp.157-171, 2020-03-31

『水左記』は平安時代後期に村上源氏の源俊房(一〇三五~一一二一)が残した日記である。平安期の貴族の日記には、儀式・年中行事の様子を中心に、朝廷内外の出来事が記録されている。これらの記事は、当時の政治・行政・社会の在り方を伝える貴重な史料である。また、『水左記』には一〇六二~一一一三年までの記事が断続的に残されているが、この期間には摂関政治から院政へという政治形態の大きな変化が生じている。このことから、この日記は古代から中世への移行期の様相を知るうえで重要な史料であるといえる。今回はこうした『水左記』の康平五・六年(一〇六二・三)の記事を紹介するとともにその註釈を提示して、時代の大きな転換期である平安時代後期研究の一助としたい。
著者
藤井 康生
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.7-32, 1996
著者
島 和博
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.50, no.9, pp.577-613, 1998

1 はじめに : まず最初に, 今年(1998年)の8月に大阪市立大学が実施した調査から得られた一つのデータを提示する。このデータは(表1)に掲げたように1998年8月時点での, 大阪市内全域における野宿生活者の「概数(人数)」と「概況(居住状況)」を「行政区別」に示したものである。……
著者
杉井 正史
出版者
大阪市立大学
雑誌
人文研究 (ISSN:04913329)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.29-40, 2002

シェイクスピアの『夏の夜の夢』は、彼の劇の最高傑作であると言われている。ロマンティックな雰囲気や筋の滑稽さだけではなく、演劇に対するさまざまな示唆があるからである。『夏の夜の夢』では、さまざまな人物が登場する。第一の登場人物のグループは、アテネの貴族社会の人間たちであり、領主のシーシアス(Theseus)、彼と間もなく結婚することになるアマゾン国の女王のヒポリタ(Hippolyta)、と臣下たちとその若い恋人たちなどである。第二のグループは、機屋のニック・ボトム(Nick Bottom)や大工のピーター・クィンス(Peter Quince)などの職人階級のグループである。第三のグループは、妖精の王オベロン(Oberon)とその妻のタイタニア(Titania)、そしてパック(Puck)など部下の妖精たちである。時は、聖ヨハネの祝日の6月24日の前夜というみずみずしい季節であり、場所は森の中、そして神秘的な妖精たちの登場。これらのロマンティックな雰囲気、そして妖精の惚れ薬による若い恋人たちの恋の騒動、妖精の女王タイタニアのロバに変身したボトムへの恋、職人たちによる間違いだらけの劇の上演のような滑稽な筋。これらが人々に好まれる理由であるに違いない。……