著者
鈴木 毅彦
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
地理学評論. Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.1-25, 2000
参考文献数
81
被引用文献数
15 11

飛騨山脈南西部の貝塩給源火道から噴出した貝塩上宝テフラ (KMT) は,大規模火砕流堆積物と中部~東北南部を覆った降下テフラからなる大規模テフラである.本稿ではその特性・分布・年代を示し,噴出前後に形成された地形面の編年・古地理について論じた.KMTの認定においては,黒雲母・石英・高ウラン濃度ジルコンの存在,火山ガラス・チタン磁鉄鉱の化学組成を指標とした.従来の放射年代値と房総半島上総層群中での層位から,KMTは海洋酸素同位体ステージ (MIS) 17.3~15.2に降下し,その年代は0.58~0.69Maの間と判断された. KMTは関東の狭山面・阿須山面・喜連川丘陵上位面,松本盆地の梨ノ木礫層堆積面形成後まもなく降下した.これら地形面はMIS17~16に形成されたと推定され,当時は扇状地面を広く発達させる地形形成環境があったとみられる.また, KMT噴出時,飛騨山脈中軸部がすでにかなりの高度を有していた可能性を指摘し,阿武隈山地に発達する小起伏面群の形成年代の上限を示した.

言及状況

外部データベース (DOI)

Yahoo!知恵袋 (1 users, 1 posts)

日本の陸上堆積のテフラは、60万年前くらいのものが限界のようです。これはテフラを載せるような堆積面が保存されるのがこのくらいの時間が限界だからです。これとて、内陸の非常に安定した環境でないと堆積面は残ってはおらず、南関東のような変動が大きな地域では30万年前くらいが限界です。 これ以上古いテフラは、水中堆積ですね。 http://ci.nii.ac.jp/naid/10004957566 ...

Twitter (1 users, 1 posts, 0 favorites)

@robanotearoom 関東には http://t.co/JX7TGITayE こんなの来たらあうと?

収集済み URL リスト