著者
浅井 由賀 竹井 よう子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.292-297, 1996-11-20
参考文献数
9
被引用文献数
1

白ゴマ、黒ゴマ、金ゴマを比較することにより、種皮の色の違いによる差異を、香り、食味、抗酸化性の観点から検討した。金ゴマの色素には抽出液をスペクトル測定すると、425nmに極大吸収が存在し、TLC上にRf値0.5のレモン色のスポットがあった。これは他の白ゴマ、黒ゴマ、茶ゴマには存在しないものであることから、金ゴマとは黄色みを帯びたゴマであるということが判明した。白ゴマ、黒ゴマ、金ゴマの香気成分を比較した結果から、白ゴマは香ばしさに寄与するピラゾン類の割合が多く、金ゴマは甘い香りに寄与するフラン類の割合が多く含まれていた。黒ゴマはゴマ特有香を持つ中沸点部の割合が少なく、高沸点部が多いことからゴマ特有香が薄く、重いにおいが強いことがわかった。食味については官能検査をした結果より、にぎり飯に添加した場合、金ゴマが好まれており、クラッカーに添加した場合にも金ゴマが好まれ、黒ゴマが好まれなかった。重量法と過酸化物価の測定による抗酸化性の検討では、黒ゴマ油に比べれば金ゴマ油は少し劣るという結果になったが、いずれも抗酸化性が認められた。

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