著者
深見 良子 石津 日出子 大鹿 淳子 代継 由紀 井上 吉世 大江 隆子 大重 淑美 梶本 五郎 金谷 昭子 木村 雅美 高村 仁知 竹井 よう子 富山 久代 中原 満子 原 知子 福井 広子 藤井 美紗子 堀内 攝之 真砂 佳美 的場 輝佳 椴山 薫 夜久 冨美子 湯川 夏子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.29, no.2, pp.104-108, 1996-05-20
被引用文献数
8

フライ油の使用限界を官能検査法で判定できるか、油の風味と化学的性状(AnV、CV、AV、トコフェロール残存率)との関連を見ながら6種の食品(豚ヒレ、鶏ささ身、さわら、いわし、ピーマン、じゃがいも)を揚げて検討した。各揚げ種は1回50gを、1日2回、4時間毎に、大豆油500gを入れた電気フライヤー中で170℃で揚げ、官能評価により揚げ油が風味点数3になるまで加熱を続けた。油の風味点数が3(油臭い、重い、油っぽい)になるまでの加熱時間は揚げ種により異り、獣鳥肉類・魚類の方が野菜・いも類に比べ短かった。獣鳥肉類・魚類の間には、脂質含量や脂肪酸組成に大きな差があるにもかかわらず、余り有意差がみられなかった。じゃがいもとピーマンの間にも、水分含量の差やクロロフィルの有無などにかかわらず、ほとんど差が見られなかった。風味点数3の揚げ油のAnV、CV、AVおよびトコフェロール残存率は揚げ種による差が余りなかった。すなわち風味点数3の油の劣化度は、ほぼ同じであることが分かった。いずれの場合も酸化毒性が現れる程酸化は進んでいなかった。以上の結果より、獣鳥肉類・魚類は野菜・いも類に比べより多く風味を劣化させるが、化学的性状への影響は同じと考えられる。フライ油の使用限界の判定に油の風味の点数3を基準に用いることは、家庭などでの簡便法として有効であると考えられた。
著者
竹井 よう子 徳毛 尚子 山本 三恵
出版者
調理科学研究会
雑誌
調理科学
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.44-48, 1984
被引用文献数
1

糖濃度の低い, 果皮割合の多い手作りママレードの原料として, どのような柑橘が適しているか, 国内産柑橘7種を用いて検討を行い, 以下の知見を得た。1. ママレードのゼリー化に必要な条件を備えているか, 生果の性状を調査したところ, すべてがペクチン量十分であったが, pHは, 日向夏を除く6種が不十分であった。2. 砂糖45%添加の全果使用ママレードでは, 日向夏, テンプルを除く5種がゼリー化不十分であり, 又クエン酸添加でゼリー化し, 酸度の不足が確かめられた。3. 果皮, クエン酸, ペクチン, 砂糖から調製した果皮使用ママレードについて検討したところ, 官能検査によりテンプルと日向夏は嫌われたが, 伊予, ネーブル, コウトウ柑, 八朔, 安政柑は市販品に劣らず好まれる事が判明した。
著者
石津 日出子 大鹿 淳子 代継 由紀 竹井 よう子 藤野 吉世 平岡 英子 中原 満子 金谷 昭子 大江 隆子 原 知子 藤井 美紗子 嘉ノ海 有紀 梶本 五郎 深見 良子 的場 輝佳 高村 仁知 木村 雅美 湯川 夏子 百本 紀子 堀内 攝之 熊谷 篤呼 大山 美紀代 大重 淑美 太田 馨 富山 久代 福井 広子 真砂 佳美
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.304-309, 1993-11-20
被引用文献数
8

油脂の風味の強さを5段階表示したものを対照にし、180℃で大豆油を加熱し、同じような5段階の風味をもつまでに要した加熱時間、ならびに各段階のフライ油で揚げたポテトについて官能検査を行い、油脂と揚げポテトの風味を比較した。1.第1回目の合同実験では、フライ油の風味の点数3(油っぽい、油臭い、重い)に達するまでに要した加熱時間は、最も早い機関で16時間、遅い機関で50時間で、その差は大きかった。2.5段階表示の油脂の風味を経験した後の第2回目の合同実験結果では、フライ油の風味3に達するまでの時間は、16時間から22時間内で、第1回目の合同実験に比べ機関間のバラツキは非常に小さくなった。3.風味3のフライ油のアニシジン価は7機関の平均で150、カルボニル価は13.7であった。4.風味5(新鮮油)、4、3のフライ油で揚げたポテトの味、香りは、それぞれフライ油の5、4、3の風味とよく似た味、香りを示した。揚げポテトの風味が明らかに低下する時は、風味3のフライ油で揚げた時である。したがって、風味の良い、おいしい揚げポテトを作るためには、フライ油の風味の点数3が使用限界としての目安にできると考えた。
著者
竹井 よう子 渡辺 美智子 福田 恭子 加納 孝恵
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.17, no.3, pp.174-178, 1984-09-01 (Released:2013-04-26)
参考文献数
6
被引用文献数
1

鶏卵割合多く且つ口ざわりの良いクッキー調製のため,クッキーに及ぼす鶏卵の影響を卵白と卵黄に分けて,又,食塩の影響もあわせて検討した. 卵白,卵黄,無塩卵黄クッキーを,鶏卵の入らない標準クッキーと比較した. ダイナグラフによる硬さ,もろさの測定,ガスクロマトグラフによる香気濃縮物の分析及び官能検査による食味の検定から,卵白は口ざわり,香りを悪くし,好ましくないクッキーを与え,卵黄は食塩を加えなければ,口ざわり,香りを良くし,好ましいクッキーを与えるという結果が得られた.
著者
井奥 加奈 高田 陽子 青山 紗弓 竹井 よう子
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.52, no.4, pp.190-195, 2005 (Released:2007-04-13)
参考文献数
14
被引用文献数
3 4

野菜類におけるフラボノイド含有量の季節変動を検討するため, 6月に流通する主な市販野菜のフラボノイド含有量とピーマンに含まれるケルセチン・ルテオリン含有量の季節変動を検討した. ピーマンにおいては10-12月にケルセチン・ルテオリン含有量とも多くなり, 5-6月に減少する傾向がみられた. フラボノイド含有量が多い時期は, 産地間の含有量にも有意な差がみられた. そこで, 緑黄色野菜5種類 (ケール, こまつな, ほうれんそう, チンゲンサイ, 青じそ) に関して6月におけるケルセチン含有量と1月におけるケルセチン含有量を比較した. その結果, ケルセチン含有量の多いケール以外では有意な差がみられなかった. したがって, 野菜類のフラボノイド含有量の季節変動は変動が大きな野菜と小さな野菜がある可能性が示唆された.
著者
浅井 由賀 竹井 よう子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 = Journal of cookery science of Japan (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.292-297, 1996-11-20
参考文献数
9
被引用文献数
1

白ゴマ、黒ゴマ、金ゴマを比較することにより、種皮の色の違いによる差異を、香り、食味、抗酸化性の観点から検討した。金ゴマの色素には抽出液をスペクトル測定すると、425nmに極大吸収が存在し、TLC上にRf値0.5のレモン色のスポットがあった。これは他の白ゴマ、黒ゴマ、茶ゴマには存在しないものであることから、金ゴマとは黄色みを帯びたゴマであるということが判明した。白ゴマ、黒ゴマ、金ゴマの香気成分を比較した結果から、白ゴマは香ばしさに寄与するピラゾン類の割合が多く、金ゴマは甘い香りに寄与するフラン類の割合が多く含まれていた。黒ゴマはゴマ特有香を持つ中沸点部の割合が少なく、高沸点部が多いことからゴマ特有香が薄く、重いにおいが強いことがわかった。食味については官能検査をした結果より、にぎり飯に添加した場合、金ゴマが好まれており、クラッカーに添加した場合にも金ゴマが好まれ、黒ゴマが好まれなかった。重量法と過酸化物価の測定による抗酸化性の検討では、黒ゴマ油に比べれば金ゴマ油は少し劣るという結果になったが、いずれも抗酸化性が認められた。
著者
浅井 由賀 福田 靖子 竹井 よう子
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.279-287, 1994-04-15
被引用文献数
10

The desirable roasting condition of sesame seeds was examined at the points of odor, acceptability and antioxidant activity. Roasted sesame seeds which have three types of aromas were analyzed their head space volatiles by gas chromatography and their aroma concentrates were analyzed by gas chromatography-mass spectrometry. Their acceptabilities were evaluated by sensory tests using riceballs and crackers. Antioxidant activity of roasted sesame seed oil was measured by the weighing method and peroxide value. The results were as follows ; 1) The roasted sesame seed with a nutty or sesame like aroma was preferable and the roasted sesame seed with a burnt odor was not preferable. 2) Antioxidant activity of roasted sesame seed oil with a nutty or sesame like aroma was as same as that with a burnt odor. 3) The desirable roasting condition of sesame seeds is to stop roasting just after the sesame seeds were expanded and a nutty or sesame like aroma was produced.
著者
井上 吉世 石津 日出子 伊藤 知子 大鹿 淳子 梶本 五郎 竹井 よう子 高村 仁知 中原 満子 西池 珠子 林 淑美 原 知子 深見 良子 福井 広子 的場 輝佳 水野 千恵 村上 恵 夜久 富美子 湯川 夏子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.299-304, 2003-08-20
参考文献数
17
被引用文献数
3

A collaborative study was designed to examine the applicability of a sensory evaluation to determine the life span of frying oil. Soybean oil was heated at 170℃ in an electric fryer. Two types of food, chicken fillet and potato, were deep-fried with or without breaded batter every 15 min. Frying was continued until the flavor score of the oil had dropped to 3. A sensory evaluation of the frying oil and each fried food was then carried out. The life span of the frying oil to reach the flavor score of 3 was slightly longer with breaded batter than without using the batter coating. The color of the frying oil did not exhibit any degradation, especially when potato was fried. It was difficult to judge the degradation by the appearance of each fried food coated with breaded batter. However, the flavor score of the frying oil corresponded to the flavor score of the fried foods coated with breaded batter. The flavor and taste of the foods fried in the oil with a flavor score of 3 were not good. These results suggest that the flavor score of frying oil is useful to determine the life span of frying oil when a breaded batter coating is used.