著者
谷川 聖明 GOTO Hirozo NAKAMURA Norio TANAKA Nobumitsu HATTORI Masao ITOH Takashi TERASAWA Katsutoshi
出版者
和漢医薬学会
雑誌
和漢医薬学雑誌 (ISSN:13406302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.45-50, 1999-07-20
被引用文献数
6

桂皮の血流改善作用については古くから知られており,これに関連した報告はあるものの,その詳細な検討はなされていない。今回我々はマグヌス法を用いて,ラット胸部大動脈輪状標本における桂皮含有クンニンの血管作動性について検討した。桂皮含有タンニンは,プロスタグランディンF_<2α>(PGF_<2α>)の血管収縮に対し,内皮保存血管において濃度依存性に血管弛緩作用が認められた。しかし,内皮除去血管及ぴN^G-nitro-l-argininemethyl ester(L-NAME)前処置内皮保存血管においては,血管弛緩作用はほぼ消失した。以上より,桂皮含有タンニンの血管弛緩作用は内皮依存性であることが明らかとなった。桂皮含有タンニンをさらに二量体から五量体までのタンニン画分に分取し検討したところ,二量体以上の重合したタンニンにおいて血管弛緩作用が認められた。また,重合度が増すに従い血管弛緩作用はより低い濃度で発揮され,作用も増強されることが明らかとなった。

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