著者
小島 克己 上條 厚 益守 眞也 佐々木 惠彦
出版者
日本林學會
雑誌
日本林学会誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.p258-262, 1994-05
被引用文献数
4

マツノザイセンチュウの病原力の弱い培養個体群も, セルラーゼを体外に分泌していることを活性染色法により確かめた。マツノザイセンチュウが分泌するセルラーゼ酵素群の組成は, ニセマツノザイセンチュウとは異なるものの病原力の強い培養個体群と弱い培養個体群の間で違いはみられなかった。マツノザイセンチュウが分泌したセルラーゼの活性を比べると, 病原力の強い培養個体群の方が病原力の弱い培養個体群よりも強かった。またマツノザイセンチュウの分泌するセルラーゼが結晶セルロースを分解する能力をもつことを明らかにした。マツノザイセンチュウの分泌するセルラーゼがマツ樹体内においてもセルロースを分解しうると考えられた。以上よりセルラーゼがマツ材線虫病の病原物質であるという可能性がより確かになった。

言及状況

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