著者
上條 厚
出版者
信州大学
雑誌
信州大学留学生センター紀要 (ISSN:13467433)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.13-24, 2002-03

動詞の優しい命令形、タベリ(食べなさい)・ミリ(見なさい)等と、勧誘形、タベリヤ(食べよう)・ミリヤ(見よう)等の使用に関して、長野県およびそれに隣接する地域の若年層について調査した。これらの形は中信地方とそこに隣接する岐阜県の市町村でよく使われることが分かった。長野県内は中信地方以外の地域でも少し使われる。優しい命令形と勧誘形の両方をよく使うのは、中信地方の中央の地域である。その周辺に勧誘形のみ使う地域がある。木曽郡とそれに隣接する岐阜県の市町村では、ほとんど優しい命令形のみが使われる。岐阜県のものは長野県境方面から広がったことが可能性として考えられる。
著者
小島 克己 上條 厚 益守 眞也 佐々木 惠彦
出版者
日本林學會
雑誌
日本林学会誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.p258-262, 1994-05
被引用文献数
4

マツノザイセンチュウの病原力の弱い培養個体群も, セルラーゼを体外に分泌していることを活性染色法により確かめた。マツノザイセンチュウが分泌するセルラーゼ酵素群の組成は, ニセマツノザイセンチュウとは異なるものの病原力の強い培養個体群と弱い培養個体群の間で違いはみられなかった。マツノザイセンチュウが分泌したセルラーゼの活性を比べると, 病原力の強い培養個体群の方が病原力の弱い培養個体群よりも強かった。またマツノザイセンチュウの分泌するセルラーゼが結晶セルロースを分解する能力をもつことを明らかにした。マツノザイセンチュウの分泌するセルラーゼがマツ樹体内においてもセルロースを分解しうると考えられた。以上よりセルラーゼがマツ材線虫病の病原物質であるという可能性がより確かになった。