- 著者
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藤代 一成
- 出版者
- 一般社団法人情報処理学会
- 雑誌
- 情報処理学会研究報告 (ISSN:09196072)
- 巻号頁・発行日
- vol.2000, no.63, pp.31-36, 2000-07-11
動的な3次元CGを利用して, 時間的変遷を遂げるビジネスデータ, 人間とのコラボレーションを含む情報システムの挙動や, 人間の知的活動の所産としての文書等に潜む有用な情報を, より迅速にかつ容易に理解するための技術として「情報可視化」は大きな注目をあびている.本来空間的構造をもたない抽象化されたデータを位相的あるいは幾何学的に解釈することから, 情報可視化は「空間化」とよばれることもある.ところが, 主観を反映して歪んだ変換をほどこされた情報可視化の結果画像がインターネットを通じて配信されることによって客観化する, すなわち「思想の晶化」であるべき情報可視化が「思想の凍結」を招いてしまう危険性が指摘されている.この解決法の一つは, ユーザーに元データを受理させ, 個々に独自の可視化を行わせるような基盤の確立である.その具体的方策として, データの本質を抉ることのできる可視化技法を目的指向的に半自動設計する情報可視化支援システムの可能性を論じる.