著者
東 孝文 金井 秀明
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014-GN-91, no.43, pp.1-8, 2014-03-06

本稿では,切り絵の初心者を対象に,タブレット端末とタッチペンからなる切り絵練習帳による実験とその評価について述べる.切り絵練習帳とは,切り絵の熟練者の知識を提供するための物である.切り絵練習帳には,(1) なぞる順番に枠を表示する機能,(2) 適切な筆圧でのみ筆跡を表示する機能,(3) なぞり始め,なぞり終わりを強調する機能の 3 つの機能がある.切り絵練習帳の各機能やシステム全体の評価を行った.その結果,各機能及びシステム全体ともに,初心者を熟練者の切り絵の仕方を身につけるのに効果があった. : In this paper, we propose a supporting system for practicing paper cutout using tablet computer stylus for novices. The system provides users with export's knowledge how to make paper cutout. The system has three functions: (1) The function displaying the order to cut. (2) The function displaying the handwriting by changed color depending on pressure. (3) The function displaying points at the start and end. We conducted user tests to investigate the effects of individual function and the whole system. The results show that the users can acquire manner of paper cutout like exports using the system.
著者
西本 一志 横山 裕基
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014-HCI-159, no.10, pp.1-8, 2014-07-28

工学研究は,人々の生活を便利にする技術の実現を目的として推進されてきた.しかしながら,過剰で近視眼的な便利さの追求の結果,副作用として各種の問題が生じてきている.この 1 つの解決策として,筆者らは,妨害的要素をあえて導入することによって,人による人間的な営みに対して,異なる視点,あるいは高次の視点から見た場合にプラスの影響をもたらそうというメディア・デザインの考え方を提唱している.本稿では,このデザイン方法論の確立に向けた第一歩として,これまで筆者らの研究室で行われてきた,妨害的要素を採り入れた知的活動支援技術に関する研究を俯瞰し,整理する.これにより,本デザイン方法論体系化のための端緒を見出すことを目指す. : The engineering studies have been promoted to create technologies that make our life more convenient. However, various undesirable side effects have arisen because of excessive and myopic pursuit of convenience. As one of the ways to solve this problem, we proposed a novel media-design concept where we produce positive effects from different and/or higher viewpoints by incorporating some obstructive factors into the media. In this paper, we overview and rearrange our research attempts on supporting technologies of intelligent activities into which some obstructive factors were incorporated. By means of this, we aim at finding some clues to organize the design methodology.
著者
大和正武 神代 知範 門田 暁人 松本 健一 井上 克郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告
巻号頁・発行日
pp.73-78, 1999
被引用文献数
1

本研究では,視線とマウスを併用することでより効率のよい入力インタフェースの実現を目指す.その第一歩として,GUI上でのボタン選択操作を「ボタン上にカーソルを移動する操作(移動操作)」と「ボタンを押す操作(確定操作)」に分け,移動操作を視線で,確定操作をマウスで行う方式について検討した.適用実験の結果,視線によるカーソル移動は高速で,マウスのみによる選択操作よりも効率の良いことが分った.但し,操作対象となるボタンの大きさが1cm四方程度に小さい場合,視線のみでボタン上にカーソルを移動することは困難であり,視線による移動操作を補助する必要のあることも分った.
著者
渡部卓雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告
巻号頁・発行日
pp.61-66, 1997
被引用文献数
1

分散・移動計算機環境における, 移動可能プログラムを記述するための一般的な言語機構を提案する. 基本的なアイデアは, 計算状態の一部を表現する部分接続(partial continuation)をプログラム中で一級オブジェクトとして明示的に扱うことにある. 並行計算系における継続(continuation)の扱いは一般に繁雑になるが, エクステントを限定した部分継続を得る言語機能を用いることにより, 遠隔コード実行の様々なパターンを記述できる. 本機構は手続きクロージャ, あるいはそれと等価な機構を持つ様々な逐次言語に導入可能であり, ユーザ向けのモバイルエージェント記述スクリプト言語だけでなく, システムプログラム記述言語にも適用可能である. 本稿では操作的意味について延べる.
著者
梅木 秀雄 下郡 信宏 横田 健彦
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.63, pp.25-30, 2000-07-11
被引用文献数
6

ネットワークコミュニティ形成のライフサイクルにおいて、コミュニティの発生と安定化をそれぞれ支援する2つのシステムLOUISとVoteについて説明する。LOUISでは、双方向協調フィルタリングにより関心を共有するユーザー間でのインタラクションを支援している。一方、Voteでは、投票に基づく協調的信頼度モデルによりコミュニティの安定化やサイレンとマジョリティの顕在化を促進させている。
著者
宮本 博 五藤 知恵
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.24, pp.41-48, 2001-03-09

世界・日本・地域等々幾重もあると思われている境界・障壁を、ITは透明人間の様にいとも容易く通り抜け、今やグローカルの世界が現出している。米国等情報先進国のビジネス界では、以前にITを戦略の経営企画部門の柱としCIOを設け、更に最近ではITをフィルターとした経営幹部の淘汰が行われるまでに至っている。みたか市民プラン21会議のメンバー公募を機に、「夜間市民」から地域貢献のために「市民デビュー」を果たし、三鷹市の基本構想見直しと基本計画の策定に関する提言作り、特に「情報政策」に関する提言作りに参加し、昨年10月それを提出した。まもなく三鷹市の素案が出来上がる。「地方分権」「電子政府」等々三鷹市にも重要課題が山積している。ローカルなインフラ・人材等を如何にしてグローカルな世界に適応させるか、素案へのITの取り込み方・取り組み姿勢が重要なファクターとなる。
著者
柏崎 礼生 高井 昌彰
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.6, pp.1-5, 2011-04

ネットワークの視覚化については様々なアプローチが考案・提案されている。AS 間や AS 内、拠点内での接続性を可視化することはネットワークの管理運用において有益である。しかし、より多くの情報を管理運用担当者に与えることができるデザインや対話性により気付きを与える仕組みなど検討課題は多い。このようなリッチ化した可視化の実装の障壁となるのは、他プラットフォームへの移植性やライブラリの充実度などが挙げられる。本稿は視覚化された既存のネットワークデザインを参考にして、クロスプラットフォーム対応の可視化フレームワークを用いたネットワーク視覚化の初歩的な実装を行う。実装結果から今後の展望と有用性について検討を行う。Various methods and approaches are considered and suggest in the field of visualizing network. It is useful for operators to visualize reachability of the network on inner or outer side of AS. But there are many agendas in visualization such as design of resonance to notify the incidents or interactions to inform users of deeper knowledge. Main problems for implementation of hyper-cyber network visualization are portability for other platforms and abundant library resources. In this paper, we show the preliminary implementation to visualize various network by using modern visual art framework with crossplatform environment and consider its usefulness and prospects.
著者
中川靖士 羽田 久一 今井 正和 砂原 秀樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2002, no.12, pp.193-198, 2002
被引用文献数
3

インターネットのブロードバンド化により映像配信が盛んに行われるようなりつつある。しかし、限られた人手や予算の中で映像内容を理解し、整理や編集することが難しいため、視聴者にとって理解しにくい内容となっている。本研究では、解説者が手作業で行っているサッカー映像のゲーム分析を自動化する。映像に対して2値化、円形度、ハフ変換、アフィン変換、オプティカルフローを用いて画像解析を行い、選手、ボール、ラインを認識し、視点移動、カメラワーク認識、プレー認識を行う。その結果を時間、場所、チーム、プレーについて数値化したスコアブックで管理する。さらにスコアブックからボールキープ時間やボールの移動軌跡に展開する。実際の映像に対して実験を行い、手作業との比較において本手法の有効性を確認した。
著者
清水 一憲 伊東 栄典 廣川 佐千男
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
pp.B-3-2, 2013-06-07

膨大な数の小説が投稿されている利用者投稿型オンライン小説サイトから,求める小説を見つける には高品質な検索・推薦システムが必要である。サイトが提供する人気に基づくランキングでは,埋もれ た名作や,新規投稿小説を探しにくい。我々は読者のお気に入り登録情報を持いて,将来人気になる小説 を予測する手法を提案している。本発表では提案手法を複数データで評価した結果を述べる。
著者
内海 慶 小町 守 町永 圭吾 前澤 敏之 佐藤 敏紀 小林 義徳
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:18840930)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.4, pp.1-7, 2010-12

我々は,クエリ訂正を統一的に行う手法として,検索クエリログとクリックスルーログを用いたグラフに基づく手法を提案する.提案手法では,クリックスルーログを用いたラベル伝播により,入力されたクエリで検索を行った場合と同一のページに到達するクエリを獲得し,これをクエリの訂正候補とした.次に,獲得した訂正候補に対して,検索クエリログから生成した言語モデルを用いて尤度を計算し,ラベル伝播時のスコアとあわせて候補のランキングを行った.これによって,人手による学習コーパスを必要とせずに,入力されたクエリと高く関連し,かつクエリとして適切な候補をログから抽出できることを示す.In this paper, we propose a new method to refine web search queries. This method is based on a graph theoretic label propagation and uses web search query and clickthrough logs. Our method first enumerates query candidates with common landing pages with regard to the given query. Then it calculates likelihoods of the candidates, making use of language model generated from web search query logs. Finally the candidates are sorted by their scores calculated from the likelihoods and the label propagations. As a result, we are able to extract appropriate candidates from web search query and clickthrough logs, without using hand-crafted training data.
著者
高木浩光 有田 隆也 川口 喜三男 曽和 将容
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告
巻号頁・発行日
pp.73-80, 1994
被引用文献数
1

効率的な並列実行のために,タスク間のデータ依存関係などにより必要となるプロセッサ間の同期操作を,高速に実現することが重要である.同期操作のソフトウェアによる実現では,同期操作自体に浪費される時間が無視できないほどに大きいものとなりうるのに対し,バリア同期の専用ハードウェアによる実現は,高速でしかも実現コストが小さいという特長を持っている.本稿では,ソフトウェアによる同期操作を一切併用することなく,バリア同期のみによって,与えられたプログラムの正しい実行を保証するような,バリア挿入位置を求めるアルゴリズムについて議論し,プロセッサの実行タイミングを推定しながらタスク割当てと同時にバリア挿入位置を決定することで,できるだけ全体の処理時間が短くなるような割当てを決定するアルゴリズムを示す.
著者
吉田 翔 金井 秀明
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014-GN-91, no.52, pp.1-8, 2014-03-06

本研究は,食事中のそしゃく癖の改善を目的としたそしゃく状況通知手法に関する研究である.共食の場において周囲に悪影響を及ぼす 「クチャラー」 を対象とし,聴覚遅延フィードバックを用いたそしゃく状態の通知を行った.被験者のそしゃく音を遅延させて再生することで,自分のそしゃく行為が周囲からどのように認識されているかを通知する.構築システムでは通知だけでなく,被験者の顎の動きを検出することで,そしゃく状態を測定することが可能である.このシステムを用いた実験により,遅延時間を大きくした場合,被験者は自らのそしゃく状態を認知でき,そしゃく行為を控えようとする傾向が確認できた. : In this paper, we propose a notification system of a state of mastication in order to improve a habit of mastication during the meals. The system senses user's mastication state, and uses the delayed auditory feedback to notify the user of the state. The system does the feedback of user's mastication sound depending on the mastication state in order to make sense of the state. We carried out user experiments in order to investigate the effects of the system and how to change user's behavior of masticating using the system. From the experiments, we found that the subjects tend to change their masticating action depending on the delayed auditory feedback.
著者
新目 真紀 神沼 靖子
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:21862583)
巻号頁・発行日
vol.2010, no.6, pp.1-6, 2011-04

情報システムの評価に関する議論がなされているが,評価の対象が曖昧であるために情報の共有が不十分である.そこで,評価の対象を二つの視点に絞って議論する.一つは開発した情報システムの有効性評価であり,もう一つは情報システム研究における評価方法の妥当性に関する評価である.我々は,この両方を視野に入れた研究方法としてアクションリサーチに注目し,質的評価の視点での有効性について分析することを考えた.本論文では,アクションリサーチによる研究のサーベイから得られた知見をもとに有効性に関する考察を述べる.The discussion concerning the evaluation of the information system is not performed enough. Because the object of the evaluation is vague as the cause, the sharing of information might be insufficient. Then, The purpose of the evaluation is focused to two viewpoints and discusses it. One is an evaluation concerning the effectiveness, and another is the validity of the evaluation method. We paid attention to the action research, and analyzed effectiveness in the aspect of a qualitative evaluation. In this report, consideration concerning effectiveness is described based on the finding obtained from the survey of the research by the action research.
著者
藤代 一成
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.63, pp.31-36, 2000-07-11

動的な3次元CGを利用して, 時間的変遷を遂げるビジネスデータ, 人間とのコラボレーションを含む情報システムの挙動や, 人間の知的活動の所産としての文書等に潜む有用な情報を, より迅速にかつ容易に理解するための技術として「情報可視化」は大きな注目をあびている.本来空間的構造をもたない抽象化されたデータを位相的あるいは幾何学的に解釈することから, 情報可視化は「空間化」とよばれることもある.ところが, 主観を反映して歪んだ変換をほどこされた情報可視化の結果画像がインターネットを通じて配信されることによって客観化する, すなわち「思想の晶化」であるべき情報可視化が「思想の凍結」を招いてしまう危険性が指摘されている.この解決法の一つは, ユーザーに元データを受理させ, 個々に独自の可視化を行わせるような基盤の確立である.その具体的方策として, データの本質を抉ることのできる可視化技法を目的指向的に半自動設計する情報可視化支援システムの可能性を論じる.
著者
阿部 翔太朗 金井 秀明
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2014-GN-91, no.38, pp.1-8, 2014-03-06

本研究では,活動量を向上させる手段として阻止の行動随伴性を利用した身体活動促進システムを考案する.評価実験により,(1) 提案したシステムを用いた手段で実験参加者の活動量を向上可能か,(2) 嫌子の出現阻止のための行動の強化が発生するか,(3) システムを適用した結果,実験参加者の身体活動に対する動機づけがどのように変化するかの 3 点について評価を行った.その結果,被験者によって,システムによる活動向上効果が異なった.そこで,被験者の身体活動に対する意識や性格に基づいて,被験者を個別に考察した.その結果,以下の知見が得られた.(a) 活動量のノルマの設定により,ほとんどの者に対して活動量を向上することが可能である.(b) 何を嫌子とするかは慎重に設定する必要があるが,その者にとって効果的な嫌子であれば行動の強化は行われる.(c) 予め身体活動に対して積極的な者に対しては動機づけを低下させることはほとんどない.(d) 身体活動に対して消極的な者に対しては,システムを長期間使用することでより自立性の高い動機づけに変化する可能性を見いだせた.
著者
大島 千佳 中山 功一 伊藤 直樹 西本 一志 安田 清 細井 尚人 奥村 浩 堀川 悦夫
出版者
情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.2013-MUS-100, no.1, pp.1-6, 2013-08-24

シンセサイザのボコーダの機能を利用し,発声をリアルタイムに長調や短調の音楽に変換することによる,気分の変化について調べた.音楽はさらに MusiCuddleというシステムを利用し,ユーザの発声と同じ音高から開始された.実験の結果,気分の変化に関して,短調と長調の和声フレーズの条件の間で,「陽気な」 「悲観した」 に差異が認められた.ここから,憂鬱な気分であっても,自分の発声が強制的に楽しい気分を誘う音楽に変換されると,気分が楽しくなることが示唆された.
著者
堤 富士雄
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.11, 2007-02-09
著者
阿部 剛仁 南 憲一 山室 雅司 曽根原 登
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2004, no.89, pp.41-47, 2004-09-02
被引用文献数
1

自由な利用や配布,改変が可能な草の根的コンテンツ(トランスフォーマティブ・コンテンツ)に着目し,それらコンテンツの利便性,信頼性を高めて流通を活性化するとともに,従来の商用コンテンツとの連携により,商用コンテンツ市場を含めたコンテンツ流通全体の活性化を促し,皆がより多くの益を得ることを目指す新しいコンテンツ流通フレームワークを提供するTEAM Digital Commonsについて述べる.また,Creative Commons Public Licenseを利用したコンテンツのメタデータ管理システムについて紹介する.
著者
崔進
雑誌
情報処理学会研究報告
巻号頁・発行日
vol.93, pp.1-6, 1993
被引用文献数
12