- 著者
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益川 弘如
- 出版者
- 日本教育工学会
- 雑誌
- 日本教育工学雑誌 (ISSN:03855236)
- 巻号頁・発行日
- vol.23, no.2, pp.89-98, 1999-09-20
- 被引用文献数
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16
ノートやメモなど自分が書いたものを後から見直すとき,作成時に利用した資料がすぐに参照できると,書かれた内容をより発展的に利用できると考えられる.また,他人のノートについても同様のことができると,お互いに相手が何をどう考えてきたかが分かりやすくなり,協調的な学習支援につながるであろう.そのような相互参照の履歴を活用する「相互リンク機能」を備えた協調学習支援ノートシステム「ReCoNote」を製作,実際に大学の授業で使用し,評価した.あるグループでは話し合いなどを進める前に,各自がお互いのノートどうしにリンクを作成して関連付けを行っていた.その相互リンクをみんなで活用して,お互いに考えたことをグループで共有しながら話し合いが進められ,質の高い教え合いが起きていた. ReCoNoteの活用により全体としてさまざまなノートや資料にリンクが結ばれ,協調的な学習が進んだと考えられる.