- 著者
-
興梠 正克
蔵田 武志
坂上 勝彦
村岡 洋一
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
- 巻号頁・発行日
- vol.84, no.10, pp.2293-2301, 2001-10-01
- 参考文献数
- 13
- 被引用文献数
-
24
本論文では, ライブ映像上への注釈情報の重ね合せ提示を実現するため, パノラマ画像群とその各画像上に与えられた注釈情報, 各画像間の隣接関係を情報源として用いるパノラマベーストアノテーション手法を提案する.提案手法は, 参照するパノラマ画像と入力映像の位置合せを行い, そのパノラマ画像上の注釈情報を映像上の対応する位置に重ね合せ表示する.本手法は, 最初に各パノラマ画像と入力映像の位置合せを行い, 入力映像の撮影地点に最も近いパノラマ画像を注釈情報の参照元として選び出す.その基準として画像間の位置合せによる輝度の平均2乗誤差(MSE)を用いる.以後は選択された参照パノラマ画像との位置合せ結果に基づいて注釈情報を提示する.カメラの視点が移動しても適切に注釈を提示できるようにするため, 参照パノラマ画像と隣接するパノラマ画像との位置合せを並行して行い, 隣接先のパノラマ画像がより良好な位置合せ結果を与える場合, これを以降の参照パノラマ画像として切り換える.この切換状況を監視することで, カメラの位置とその移動軌跡を推定することが可能である.提案手法を計算機システムとして実装して, その有効性と処理の実時間性について良好な結果を得た.