著者
興梠 正克 蔵田 武志
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MI, 医用画像 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.75, pp.75-80, 2006-05-19
参考文献数
4

本稿では、GPSと自蔵航法を組み合わせた組み込み型歩行者ナビシステムについて述べる。GPSによる測位は、その条件によっては必ずしも十分な精度が得られない。そこで、人に装着された自蔵式センサ(加速度・ジャイロ・磁気方位センサ)を用いて歩行動作を計測し、人の相対的な歩行移動ベクトルを推定する。この推定結果とGPSによる測位結果を相補的に組み合わせることで測位精度を向上させる。GPSによる測位ができない屋内環境においては、事前に環境中に埋め込まれたRFIDタグによる測位を行ない、デッドレコニングの結果と統合することで、GPSの場合と同様に相補的に測位精度を向上させる。本手法を装着型組み込みシステムとして実装し、評価した。
著者
興梠 正克 蔵田 武志 坂上 勝彦 村岡 洋一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.84, no.10, pp.2293-2301, 2001-10-01
参考文献数
13
被引用文献数
24

本論文では, ライブ映像上への注釈情報の重ね合せ提示を実現するため, パノラマ画像群とその各画像上に与えられた注釈情報, 各画像間の隣接関係を情報源として用いるパノラマベーストアノテーション手法を提案する.提案手法は, 参照するパノラマ画像と入力映像の位置合せを行い, そのパノラマ画像上の注釈情報を映像上の対応する位置に重ね合せ表示する.本手法は, 最初に各パノラマ画像と入力映像の位置合せを行い, 入力映像の撮影地点に最も近いパノラマ画像を注釈情報の参照元として選び出す.その基準として画像間の位置合せによる輝度の平均2乗誤差(MSE)を用いる.以後は選択された参照パノラマ画像との位置合せ結果に基づいて注釈情報を提示する.カメラの視点が移動しても適切に注釈を提示できるようにするため, 参照パノラマ画像と隣接するパノラマ画像との位置合せを並行して行い, 隣接先のパノラマ画像がより良好な位置合せ結果を与える場合, これを以降の参照パノラマ画像として切り換える.この切換状況を監視することで, カメラの位置とその移動軌跡を推定することが可能である.提案手法を計算機システムとして実装して, その有効性と処理の実時間性について良好な結果を得た.
著者
蔵田 武志 大隈 隆史 興梠 正克 石川 智也 タンガマニ・カライバニ 七田洸一 君島 翔
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.106, pp.25-28, 2008-10-30

サービスの生産性向上は,経済の持続的発展のために必要不可欠な要素である.従来のように経験や勘だけに頼るのではなく,科学的工学的手法を確立してサービスの生産性向上を達成する枠組みをサービス工学と呼ぶ.筆者らは,拡張現実インタラクション技術により経験と勘を工学的に拡張することで,科学的工学的手法に立脚しながら人間の能力を最大限活用し,サービスの質や生産性を向上できると考えている.本稿では主に科学ミュージアムでの事例研究を紹介し,これまで得られた成果と今後の展望について述べる.