著者
向井 智彦 栗山 繁 金子 豊久
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.88, no.1, pp.78-87, 2005-01-01
被引用文献数
2

代表的な仮想人間の動作生成手法であるキーフレーム法は,各キーフレームにおける姿勢を指定し,その関節回転角を適切な関数で補間することで動作を生成する.しかしすべての姿勢を手作業で設計するには膨大な労力が必要であり,最適な補間関数の設計には熟練を要する.一方,近年ではモーションキャプチャ法を用いて実際の人体運動を計測する手法が主流になっており,計測した動作データの効率的な再利用が重要な課題となっている.本論文では,キーフレーム法に基づく動作生成に動作データの運動学的特徴を効率的に利用する手法を提案する.本手法では,筆者らが既に提案した機械学習による動作生成法を拡張し,動作データを用いて学習の報酬関数を設計することで自然な姿勢を探索する.またキーフレームの補間関数を理論的な人体運動モデルと動作データを用いて設計することで,人間らしい滑らかな動作を生成する.本手法により動作データの自然さを反映した複合的な全身動作を効率的に生成できる.

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