著者
相澤 文恵 岸 光男 森谷 俊樹 南 健太郎 米満 正美
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.53, no.5, pp.535-543, 2003-10-30
被引用文献数
6

自己の口臭に対する主観的評価と客観的口臭レベルの関連性を分析するため,2000年5月,宮城県の高校生106名を対象として,口臭に関する質問紙調査を実施した.また,学校歯科健診時にイラストを用いた歯肉炎症程度の生徒自身による評価,揮発性硫化物(VSC)測定機器ハリメーター^[○!R]による口臭の測定,舌苔スコアによる舌苔付着の評価を実施した.本調査の結果,口臭の主観的評価は口腔関連の自覚症状の認識頻度と関連し,口臭の客観的評価であるVSC値とは関連しないことが示された.また,自己の口腔に対して高い関心をもつ人ほど自己の口腔内状態に対する評価が厳しく,口臭の主観的評価も厳しい傾向にあることが示された.さらに,口臭がないにもかかわらず口臭に対する主観的評価が高い人は,自己の口腔状態に敏感であり,ストレスを強く感じる傾向が認められた.これらのことから,口臭を過度に意識する状態は,もともと自己の口腔内状況に対する評価が厳しい傾向にある人が,日常生活におけるさまざまな出来事をストレスと感じるようになった場合に成立する可能性があることが示唆された.

言及状況

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こんな論文どうですか? 高校生を対象とした口臭の主観的評価とVSCレベルの関連性の分析(相澤文恵ほか),2003 http://id.CiNii.jp/Q1QEL

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