著者
小澤 真 大橋 和彦 小沼 操
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.67, no.12, pp.1237-1241, 2005-12-25

ニューカッスル病(ND)はニューカッスル病ウイルス(NDV)により引き起こされる鶏の最も重要な感染症のひとつあり, 生および不活化ワクチンにより制御されている.しかしNDVは多種類の野鳥など, ワクチンされていない鳥に感染し, これらの感染がNDの発生・伝播に重要な役割を果たしているので, 野外での新たなNDの制御法が必要である.ファージディスプレイ法は目的の標的分子に結合するペプチドの検索方法として有用であり, バイオパンニング法によりNDV結合性ペプチド3種類(EVSHPKVG, WVTTSNQW, およびSGGSNRSP)を同定した.ファージ上のこれらのペプチドのNDV結合特異性は抗NDV鶏血清を用いた競合ELISA法により確認された.またこれらのアミノ酸配列をもとに作製した合成ペプチドはin vitroにおいて部分的にNDVを中和した.今回同定したペプチドモチーフは, 免疫系に依存することなくNDV感染を阻止する新規分子の同定へと発展する可能性を有している.

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