著者
田中 宏明 辻 利則 川瀬 隆千 竹野 茂
出版者
宮崎公立大学
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.193-221, 2006

なぜ国際関係論を教育するかという問いに対してカントのコスモポリタニズムから回答できる。なぜならば、カントのみが戦争と平和、コスモポリタン秩序、そして世界市民教育ということを国際関係論において教育する理由をトータルに考える糸口を提供するからである。最初に、国際関係論におけるカント的伝統を否定的に規定している英国学派と、カントの平和論を肯定的に捉えそれに依拠するリベラリズムの代表的研究としてデモクラティック・ピース論を取り上げる。次に、カントのコスモポリタニズムについての理解を深めるために、国際関係論の議論の枠組みを越えて寺田俊郎らの哲学者の議論を踏まえ、カントのコスモポリタニズムについて考察する。ユルゲン・ハーバーマスによると、カントの平和連合の構想にいかなる問題があるか、そして現代のグローバルな情勢を踏まえて、カントのコスモポリタン秩序はいかに改めるべきかが明らかになる。さらに、カントのコスモポリタニズムの観点から、英国学派とデモクラティック・ピース論におけるカントのコスモポリタニズムの捉え方を批判する。最後に、世界市民教育とはどのようなものなのかをマーサ・ヌスバウムに依拠して考え、世界市民教育の立場から、国際理解教育とグローバル教育を批判的に検討する。

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知ってた。http://t.co/eGCZaU9ijX《ストア派によれば、教育は各自に出生地と人類~「二つの共同体」の構成員~と自覚させるべきで~国籍~階級~エスニックなメンバーシップ~ジェンダーの相違を認めるべきではない。~世界市民の理念は、カントの目的の国の先祖であり源泉》

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