著者
中村 祐一 撫原 恒平
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. SLDM, [システムLSI設計技術] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.134, pp.145-148, 2008-03-27

近年、組込みシステムの複雑化によって組込みソフトウエアの開発工数の長大化が問題となっている。この原因はコーディングの複雑化よりも、不具合の原因追求や性能品質の解析などの検証の問題と考えられている。しかし、組込みシステム本体は低コスト性が重要とされるため、そのシステム単体で動作する最低限の動作環境しか保持しておらず、問題の解析機能は保有していないのが一般的である。そのため、不具合や性能の解析やシ品質管理などは精度の低いシミュレータや、実機を利用したアドホック環境に実行せざるを得ず、効率が非常に悪かった。本稿では、組込みシステム側にリモートPCからの制御を代行するStubを常駐することにより、ネットワークで接続したリモートPCからStubを制御してコード品質解析を行うシステムを開発した。リモートPC上では統合開発環境であるEclipseのTPTPを経由してStubの制御、結果の表示などを行うため、効率のよいコード品質解析フローを構築可能である。今回、メモリ管理のValgrindとカバレッジ解析であるGcovを組込みシステム側で実行させ、Eclipse上のGUIで解析結果を表示するシステムを実装し、デバッグ環境が貧弱な組込みシステムに対してもエンタープライズ系と同じようなコード品質解析が可能であることを実証した。

言及状況

はてなブックマーク (1 users, 1 posts)

[paper][gcov][eclipse]

収集済み URL リスト