- 著者
-
野村 孔命
髙島 康裕
中村 祐一
- 雑誌
- 研究報告組込みシステム(EMB) (ISSN:2188868X)
- 巻号頁・発行日
- vol.2016-EMB-40, no.33, pp.1-6, 2016-03-17
本稿では,タスクの実行時間と Processing Element(PE) の消費電力がばらつくシステムにおいてのスケジューリング手法を提案する.近年,実行時間と消費電力のばらつきを考慮したタスクの割り当てとスケジューリング (TAS) は,マルチプロセッサシステムが正しく動作するために必要である.従来手法では,TAS を行った後,実行時間と電力の歩留まりを評価していた.しかし,この方法では目標となる歩留まりを得るまでに,何度も TAS を実行しなければならず,設計時間が膨大になってしまう.そこで,本稿では,両ばらつきが正規分布に従うという仮定に基づいて,まず,電力制約をある確率で満たす PE の組み合わせを計算し,その組み合わせだけを利用した上で実行時間最小となる Power and Execution Variation-Aware Scheduling(PEVaS) を提案する.実験により,従来手法と比較し,性能が向上していることを確認した.