著者
小林 伸行
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.805-820, 2009-03-31

本稿の目的は,N. ルーマンの教育システム論を他の機能システム論と比較可能な「特殊でない」機能システム論へと再構築することである.<br>ルーマンの教育システム論が他の機能システム論との比較可能性を損なっている要因は複数ある.包摂がすべての個人に及んでいない,固有メディアや二分コードを欠いたまま機能システムとしての自律性などが説明されてきた,コードとプログラムが明確に区別されない等である.本稿では,その淵源を主に「学校(教育)」に偏向した説明に求めつつ,そうした説明からの脱却を通じて他の機能システム論との比較可能性を教育システム論に付与するとともに,社会システム論全体の一貫した説明力を向上させる可能性を模索する.<br>そのために,教育システムのメディアを「ライフコース」から〈能力〉に,形式を「知識」から「手本/模範」に変更し,二分コードを「有能/無能」とすることを提案する.また,相対評価にも絶対評価にも変更されうるような従来の「選抜コード」を,有能か無能かの判断基準となる可変的なプログラムの一環として位置づけ直し,「有能/無能」コードとともに学習者だけでなく教育者にも向けられるものと見なしたうえで,教育システムの機能を「何かが〈できない〉ために諸人格の参入が不可能であるとの判断を延期させ,いずれ〈できる〉ようになって包摂が可能になると予期を変質させること」すなわち「包摂不可能性の認知的予期化」と規定する.

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[ルーマン][CiNii]
[Luhmann] そういや会費払ったのに届かないのはなぜだろう。

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自分はあらゆる概念、事象を自然に任せるのではなく学問的に解体しなければいけないと思うので、今は無能についてホットです https://t.co/zWgCnK9HB8
かっかっか。反逆的である自分を嘲笑うかのように華麗にReTweet!/というか<有能/無能>コードが支配的に生きている社会システムにおいては、自動的に反逆者=無能だわな。流し読んだだけの論文の概念がマイブーム http://t.co/zmZxZ5g 模範が多様化することが一つの解
<能力>メディアと「有能/無能」コード http://t.co/zmZxZ5g での模範をまねる能力=学校的能力で、新しい教育は異なったシステムデザインを指向してるんだな QT @tomokihirano 学校を「学校的」でなくするには http://t.co/Gu4bM2a

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