- 著者
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原 政之
日下 博幸
木村 富士男
若月 泰孝
- 出版者
- 日本流体力学会
- 雑誌
- ながれ : 日本流体力学会誌 (ISSN:02863154)
- 巻号頁・発行日
- vol.29, no.5, pp.353-361, 2010-10-25
- 被引用文献数
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過去100年間における全球平均の地上気温上昇は0.66℃である一方,東京の地上気温上昇は約3℃である.この違いの原因は,この間に顕著になった都市ヒートアイランドによる影響が大きい.都市ヒートアイランドによる地上気温の上昇は,冬季に最大となる.本研究では,都市キャノピーモデルを含む高解像度領域気候モデルWRFを用いて過去気候の再現実験を実施し,さらに擬似温暖化手法を用いて,SRES A2における2070年代を想定した将来気候実験を行った.これらから全球規模の気候変動が冬の東京都市圏における都市ヒートアイランド強度(Urban Heat Island Intensity;UHII)に与える影響を評価した.その結果,気候変動によって,夜間のUHIIは約20%以上強まることが示唆された.