- 著者
-
来嶋 洋美
柴原 智代
八田 直美
Hiromi KIJIMA
Tomoyo SHIBAHARA
Naomi HATTA
- 出版者
- 国際交流基金
- 雑誌
- 国際交流基金日本語教育紀要 (ISSN:13495658)
- 巻号頁・発行日
- no.8, pp.103-117, 2012
国際交流基金ではJF日本語教育スタンダードを教育現場でどう適用するか具現化すると同時に、海外拠点における日本語講座での使用のために、準拠教科書の開発に取り組んでいる。新しい教科書は相互理解のための日本語教育を実践するために、日本語だけでなく異文化理解の学びを取り入れる。学習対象は海外の成人学習者である。JFスタンダードに準拠するために、レベル設定、Can-doによる学習目標、トピック、異文化理解の学習、ポートフォリオを取り入れ、2011年5月には『まるごと-日本のことばと文化- 入門A1』試用版を刊行した。コミュニケーション言語活動中心の「活動編」と、言語能力(語彙、文型など)を中心にした「理解編」、そしてトピック別語彙集で構成される。活動編と理解編は各々主教材として開発したが、トピック構成が共通で、相互補完的にも使用できる。本稿ではその開発の枠組みと内容・構成について報告する。