著者
韓 載香
出版者
社会経済史学会
雑誌
社會經濟史學 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.377-400, 2007-11-25

本稿は,パチンコ産業を対象として,在日韓国朝鮮人(以下,在日と略記)コミュニティ内に蓄積される産業関連の経営資源に注目し,同産業への大量参入が実現し,結果的に代表的産業となったことを考察する。産業好況期に在日が集中的に参入できたのは,衰退産業に代わる事業転換先・多角化事業の投資先・新規参入先としてなど,参入する複合的契機がある一方,ビジネスチャンスの発見と参入を容易にする資源が存在したからであった。そのような資源は,1950年代前半に在日コミュニティ内部に基礎的に形成された。在日は,同産業への関与者が多くなるにつれて,人を媒介とした伝播などインフォーマルな形で市場情報に接しやすい環境におかれた。同産業が全国的市場基盤をもっていたため,情報は直接的な競争を生み出さずに共有されえた。一方で,同産業の影の部分が社会的に批判され,ビジネスとして高いリスクの認識が固定化されると,社会からの参入が制限されるようになった。このように,在日は,一般的に参入が抑制されるなか,経営資源をコミュニティ内で入手できる独特な状況下で,参入と集積を進行させてきたのである。

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@KeiTy717 パチ屋は基本在日韓国人の資本なんですよね
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