- 著者
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野口 晃菜
米田 宏樹
- 出版者
- 障害科学学会
- 雑誌
- 障害科学研究 (ISSN:18815812)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, pp.99-112, 2010-03-25
日本では特別支援教育支援員の活用が始まっている。一方、米国は1950年代からParaeducatorと呼ばれる教育補助員を活用しているが、連邦法上に位置付けられたのは、1997年障害者教育法と2001年初等中等教育改正法からである。本稿では1950年代から現在までのParaeducatorの数、役割、養成制度の変遷を概観した。Paraeducatorの活用は、社会的要請の変化にともない、教員不足への対応として、マイノリティーへの公教育保障・雇用機会の提供として、さらには、障害のある児童生徒への適切な教育の提供のためなどへと拡大し、人数も増加してきた。また、当初Paraeducatorは、児童生徒に直に接することのない事務を担当したが、その役割は徐々に変化し、指導業務が中心となった。Paraeducatorの養成にあたっては、その役割を明確にし、それに見合った研修を実施する必要がある。