著者
佐藤 正二 佐藤 容子 高山 巌
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
行動療法研究 (ISSN:09106529)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.71-83, 1998
被引用文献数
1

本研究は、3名の引っ込み思案幼児の社会的スキルの長期的維持を出現させるために、(1)社会的スキル知識を促進する訓練室でのコーチング、(2)社会的スキル実行を促す自由遊び場面でのコーチング、(3)トレーナーによる構造化された遊び場面の設定、(4)訓練場面への仲間の参加とを組み合わせた社会的スキル訓練(SST)を構成した。15セッションからなるSSTを受けた訓練対象児は、訓練終了後、仲間に対する働きかけ、仲間からの働きかけ、協調的行動を増加させ、社会的孤立行動を減少させた。さらに、一年後のフォローアップ査定では、3名中2名の訓練対象児が、訓練効果を維持していることが分かった。これら2名の訓練対象児のポジティブな行動変容は、担任教師による社会的行動評定得点にも反映されており、本研究で実施されたSSTが長期的維持を効果的に促進していたことが実証された。

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