著者
藤田 弘之
出版者
関西外国語大学
雑誌
研究論集 (ISSN:03881067)
巻号頁・発行日
vol.99, pp.105-121, 2014-03

本論文は、生徒指導にあたって、不可欠な場合に、児童生徒を統御あるいは抑制するために、必要な限りで教師が体罰とは異なる適正な物理力を行使できること、またその行使のあり方について、イギリスにおける問題を考察しつつ明らかにしようとするものである。イギリスにおいては、1986年第2教育法によって体罰が禁止されたが、その過程で、やむを得ない場合における教師の合理的な有形力の行使を認めた。この有形力の行使については、その後行使の形態やあり方について明確化、詳細化され今日に至っている。我が国においても体罰関係の裁判の判例、また文部科学省の通達において、こうした有形力の行使について言及されてはいるが、その内容やあり方については不明確であり、具体的ではない。本稿ではこうしたことを踏まえて、児童生徒への他の懲戒のあり方の検討とともに、こうした有形力行使のあり方について明確化、具体化すべきことを指摘した。

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この論文面白かったです。イギリスにおける「合理的有形力行使のガイドライン」は役に立つと思う。 →生徒指導における教師の合理的有形力行使に関する考察 : イギリスにおける問題を中心として http://t.co/4Y1oESS63c #CiNii

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